2017/11/28 訪問
今時のB級スポット物件探しは、SNSに偏りがち。
私もそれに倣い、ツイッターやフェイスブックを眺めたりしています。
その中で、放送作家である吉村智樹氏から、千葉県の物件についての発信がありました。
なんでも、千葉県の田舎に突如B級スポットが誕生したとのこと。
驚くべきはこの吉村氏、大阪の方なのですが、
この物件のためにわざわざ千葉県の僻地に足を運んだようです。
初報は夏の終わりあたりに聞きつけ、行ってみたいと思っていたのですが、
訪問には2つの障害がありました。
1つは、まだ完成していないということ。
現在は仮公開という状況で、私としてはオーナーが納得できるレベルになったら行ってみようかな、と考えたわけですが、
それから定期的にSNSをチェックしても、進捗がイマイチわからない状況でした。
そしてもう1つは、平日のみ営業ということ。
土日はお休みです。
仮に平日であっても15時頃に終わってしまいます。
現状での訪問は、一般的なサラリーマンにとってハードルが高いのではと思います。
物件について忘れかけそうだったある日、たまたま平日の休暇を取得。
もちろん向かうのはここ。午前中に到着するように東金方面に向かいました。
JR「福俵駅」です。
千葉駅から東金駅を結ぶ路線にあり、終点の東金駅の1つ手前です。
しかし、駅周辺を見る限りでは、隣の東金駅の活気とは無縁の様子。
そんな場所が物件への最寄駅となっています。
駅から南側へ100m程度歩くと、すぐに国道128号の交差点になります。
その交差点の名前はずばり「福俵駅入口」。
交差点を右に曲がり、茂原方面に向かいます。
パチンコ屋、最近できた猫カフェなどを脇に、
国道128号沿いに3分程度歩きます。
猫カフェを過ぎたあたりから、左手歩道に、
「牧谷材木店」と、居酒屋「蛍」の看板に挟まれている路地が見えてきます。
ここから路地に入っていきます。
・・・・本当にここにあるのだろうか?
と思うぐらい、閑静な住宅街に入ります。
奥には田園が見えます。地図はあっていると思うが、大丈夫なのか?
少し進んで右側の路地を確認、ここにはなさそうだ、次の路地はどうだろ?と
繰り返しているうちに、住宅街の最後のほうまで来てしまう。おいおい。
半ばあきらめかけながら、最後の路地を見てみると・・・
!?
どうみても住宅街の一角でしかない場所に、
見事に違和感バリバリの建物が現れました。
間違いなくここが目的地です。
建物の手前まで行くと、うまいぐあいにここのオーナー「じゃんぼちゃん」の姿が。
先にも述べましたが、ここは未完成の物件です。
現時点では来年春のオープンを目指しているようで、それに向けての作業の最中だったようです。
「さっきまで中がいっぱいだったけど、ちょうど陳列作業のために外に出していたんですよ〜」とのこと。
こちらから入るという気持ちを伝える前に、今は気軽に入れます!と誘導されてしまいました。さすが。
もちろん入ります。
入館料は200円です。
お手製のチケットもいただけます。
入口からは、いきなりショーケースが並ぶ棚がお迎え。
中にはオーナーが集めたフィギュアが並んでいます。
シリーズモノを収集するという感じで、ごった煮というわけではなく、
彼なりのコレクションポリシーを感じます。
そこの右にはこの手の建物にありがちな、テーマがよくわからないものの展示。
一応昭和レトロ、70〜80年代アメリカン的なものは感じるが。
こちらはまだまだ整理中とのこと。
ところが、ここまでで外に見える建物の中は全部見終わってしまった。
おいおい、これじゃ狭いような・・・
・・・と思ったら、建物の外に続きがありました。
この動線・・・キテる。
右手は屋外展示になっています。
なんだか建ぺい率とか気になりますが、それは触れないほうがいいかもしれません。
例の建物の奥に縦長の空間が続き、レトロ、古民具系グッズが並んでいます。
それぞれの関連性は年代以外にほとんどなく、なかなかカオスです。
このエリアは博物館で言う、企画展示のようです。
常設展示のはさきほどの小屋の中で考えているようですが、
常設のほうがまだ未完成なので、最終的なバランス取りがどうなるかが楽しみです。
通路の突き当りには・・・猫が??
ん?俺なんかわるいことをしたのか?っていう感じで見られます。
左手をみると、猫のおやつが100円で・・・なるほど。
100円を投入しておやつを開封すると、
その瞬間、バタバタと高台から猫が下りてきて4匹に。
それぞれに少しずつ与えて、しばし眺める。
ひととおり展示物を見終えて外にでると、
オーナーのじゃんぼちゃんが、今後の展開や、インスパイアされた物件について熱いトーク。
途中でじゃんぼちゃんのお母さまからお茶の差し入れがあり、そのままお茶を飲みながらB級スポットトーク。
お話した内容は広がりすぎて書くのが大変なので、
HPの情報と、今回お話したこととを要約して、これから訪問を考えている方に必要な情報を挙げてみます。
〇伊豆の「まぼろし展覧会」や「怪しい少年少女博物館」に影響を受けている。
〇昨年に思い立って建物作りから始めた。
〇この土地は母のもの。
〇建物づくりから陳列まですべてオーナー1人で行っている。
〇陳列は今年の5月頃から始めて、夏に最初の取材的なもの(吉村智樹氏の訪問のこと)を受けた。
今のところ、大手メディアの取材は受けていない。
〇展示物は今あるもので全てではない。
実際、入替中で退避しているためか、HPで見たものが現地では見当たらないものもある。
とまあ、こんな場所でした。
状況からして「完成宣言」は来年3月になっても出ないような気がしますが、その頃に再訪問してみたいと思います。
観光地でもなんでもない場所、ましてや田舎の住宅地の真ん中に、
自らが望んでB級スポットを作るという狂気。
B級スポット愛好者としては、当然応援したくなるのが心境です。
幸い、東金には昔「File 081 戦争資料・昭和史レトロ館 」なる施設がありましたので、
そういった施設を訪問する愛好者が存在する下地があります。※今はありません
立地も最寄り駅の福俵駅から比較的近いので、宣伝ができれば一定数の訪問者を得られそうな印象でした。
あとは有名になるためには、いつメディアに出るかが鍵になるかな、と。
じゃんぼちゃんは大手メディアで紹介されるのを待っているようですが、
これだけのものであれば、完成宣言後はすぐに来ると思います。
お話の中で私が目標にしては?と伝えた「ぶらり途中下車の旅」にて、JR東金線が紹介され、
その中でじゃんぼちゃんの姿と、狂気の建造物がお茶の間に届けられることを期待してやみません。
以上、まやかし展覧会をお送りしました。
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