File 264 古民家私美術館(ギャラリー・ジエモン)

一躍有名スポットとなった通称「チバニアン」の近くに作られた美術館。
老年の現役画家の制作の場を観ることができる珍しいスポット。


【所在地】千葉県市原市田渕旧日竹394


2019/05/26 訪問

「チバニアン」が地権者関連でモメていて、先行きが見えないというニュースを聞き、
この日チバニアンに向かいましたが、入口が閉鎖されている等の状況ではありませんでした。

安心してトランプ来日で騒々しい茂原方面に向かおうとすると・・・
チバニアンから数分走ったところで「古民家私美術館」の看板をみかけました。



こんなところに何があるんだろう?と思い、そのまま矢印方向に向かって突撃。

100mほど進み、周囲を確認。



ロードサイドの看板とクォリティ差があるので、別の場所かな?と思ったのですが、
どうもここみたいです。
草の生えている道をそのまま進みます。

すると・・・



広い庭の先に古い平屋があり、平屋の入口には「古民家私美術館」の看板が掲げられています。
入口を覗いてみたが、無人。
看板の隣に連絡先が掲げられており、それによるとすぐ近くにて生活されているようなので連絡。
すぐにこちらの美術館の館長が向かってきました。

お名前は「山田治右衛門」。
なので、先ほどのロードサイドの看板には山田とジエモンの2つの単語が入っていたわけです。

こちらの方の経歴ですが、
加茂村役場→市原市役所と勤務された後、早期退職後に画家を志し、
いろいろな美術家団体に所属されて、創作活動を行っているそうです。
約25年のキャリアで、複数の賞の受賞経験があり、それらが館内に掲示されています。
つまりはぽっと出の画家ではなく、ちゃんとした画家、ということです。

この場所は2016年4月開館で、
現役の老画家のアトリエを、そのまま拝見することができます。
画家の実際の仕事の現場をみる機会なんて普通はありませんし、
他に公開しているところもなんて聞いたことがないと思いますので、
わりかし珍しい場所かなと思います。

入場料は200円。
開館は金、土、日の10〜16時。


ではお邪魔します。



入口すぐに、制作スペースが広がっています。
キャンバスは大きいものから小さいものまであり、
まさにドラマや漫画にあるような、絵に描いたようなアトリエの風景です。

もちろん現役ですから、製作中の絵がかかっていて、
いま描いている絵のモチーフがどの場所なのかとか、そういうお話をしてくれます。



部屋は4部屋あり、いずれにも絵が飾られています。



この建物は築100年ほど、明治時代に作られたものだそうです。
もちろん木造で、年相応の美しく黒光りした木目を観ることができます。



このキャンバスの大きさ。

館内をみる限りでは、雪山や海の青白を中心とした配色の絵、
他は紅葉の風景、妻の人物画が多い印象です。

この画像でわかるかと思いますが、距離を置いて全体像で観ると、
風景の奥行き感がよく出ていて、白青が中心のため、落ち着きを感じるいい絵だと感じます。

そしてここに置いてある絵のほとんどは売り物で、気に入った絵は購入することができます。
もちろん、大作は飾る場所も必要なので、普通は手が出せないと思います。
一般家庭の個人で買うのであれば、6〜8号ぐらいのサイズ(40cm×30cmぐらい)になるのではと思います。
お値段は聞いていませんが、おそらく銀座のギャラリーのような法外な値段ではないはずなので、
気に入ったならその場で購入を検討してみるのもいいかもしれません。
全くの無名の画家ではないと思いますし、実際、絵は素晴らしいので、
資産的に考えてそれなりに期待していいのではと思います。

とまあ、こんな場所でした。

この付近を訪れる方は、養老渓谷が目的のドライブ、もしくはゴルフで、
この地域は単なる通過点としか考えていないと思います。
逆に言えば、通り道の途中にあって行くのはそんなに難しくはないわけですし、
こういうところに寄って、老画家の記憶を感じる絵を眺め、
人生が何たるかを考える時間を作るのもよいかもしれませんよ。

以上、古民家私美術館(ギャラリー・ジエモン)をお送りしました。

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