File 259 行徳神輿ミュージアム

千葉県でも人口が多い都市にもかかわらず、存在感が薄い行徳エリア。
そんな行徳が町おこしとして神輿制作を売り出し、
神輿制作会社はミュージアムをオープン。
はたしてどのようなものなのか?

【名称】行徳神輿ミュージアム
【所在地】千葉県市川市本塩21−3
【交通手段】東西線妙典駅から徒歩10分程度。
【HP】中台製作所のHP


2018/05/23 訪問

千葉県でも東京寄りで、首都圏への通勤が容易(東西線の混雑はカウントしない)なため、
ホームタウンとして人気がある行徳エリア。

そんな行徳エリアには、長らく売りになるものがありませんでした。
売りになるものがなければ、道の駅のような業態のものや、
ご当地キャラ等の観光の第一ステップさえ作れないので、
おそらく行徳としてはかなり苦心していたのではないかと思います。

そして最近「神輿制作」の町として町おこしが本格的にスタートしたようで、
神輿制作としてはおそらく行徳最大手となる「中台製作所」が、
自社の敷地内に「行徳神輿ミュージアム」なるものをオープンさせました。

というわけで早速訪問してみました。



行徳の大動脈ともいえる、県道6号にかかる歩道橋。
歩道橋には「神輿のまち行徳」と町おこしフレーズが書かれています。

しかし、行徳エリア外にこの町おこしの内容が知られたかというと、微妙な感じがしますが・・・



今回の物件に一番近いのは東西線の妙典駅。
千葉県民なら周知のことかと思いますが、東西線の混雑は日本でもトップクラス。
ここへの訪問のために、朝からこの路線に乗るのはもってのほか。
ラッシュアワーが過ぎてからの乗車を強くお勧めします。



その妙典駅から北側に出て、東京方面に歩いていきます。



お好み焼き屋のBLUNAという店が見えたら、そこを右に曲がります。



まっすぐ進むと・・・

見るからに怪しい建物が見えてきます。



近づいてみると怪しい建物が視界から隠れてしまいますが、
代わりに目的の目新しい建物が見えてきます。

これが今回の目的地、「行徳神輿ミュージアム」です。



正面から。
「中台神輿」の額が掲げられています。
ここがオープンしたのは4月22日だそうで、1か月ほどしか経っていません。



営業時間。
平日と土曜日の日中で、日曜日と祝日はお休みです。ご注意ください。



写真だと単なる入口の戸となってしまいますが、
現地で手をかけるだけで、凄さがわかります。
ものすごく上等な木材を使っていてかつ、
匠の技の所為なのか、ものすごいどっしりしています。
それにおどろいて戸を眺めてみると、彫りも素晴らしいことがわかります。



館内は撮影OKとのことでしたので、撮らせていただきました。
現在の基準の建築物だと思うのですが、意図的なのか、木の面積が多く落ち着く空間となっています。



館内に神輿は売り物も含め、4基ありました。
これを書いているうちに数え方をググったら「基」が正解のようです。

門前仲町の神社にはダイヤモンドもあしらわれた、
世界一高額な神輿が飾られていますが建物の中に入れないんですよね。
それに、宮司が親族に刀で斬られて殺される事件がありました。
ここでは誰にも邪魔されず、目の前でじっくり観ることができますので安心(?)



神輿は昔ながらの木組みで組み、釘等はつかわないようです。
TVでよく目にできたのは、某DASHのYさんが得意としていたからだったんだよなあ・・・



神輿はいろいろなパーツや、技術が生かされています。
木材は当然として、鋳物、漆塗り、螺鈿、蒔絵etc...

この中台製作所では、すべてを1つの会社で行っているそうです。

そのせいかどうかわかりませんが、
神輿の本場というべき、浅草を中心とした下町で使われている神輿は、
大部分が行徳産のようです。行徳、意外とスゴイ。



神輿ミュージアムオープン記念として、
お求めやすい価格で販売されています。
一家に一台、おひとついかがでしょうか。



ここは神輿のレンタルも行っているようです。

墓地もエレベーターで管理されるようになっていますし、
神輿レンタルも現代に合ったスタイル。
いつも新車同然の神輿に乗れるし、神様にとって不都合ではないと思います。



鳥居の値段もわかります。
銚子のあの魚型の鳥居は、よく見るとクォリティがアレなのですが、
ここはミュージアムに入るときの戸の造りを体験すると、
そのクォリティで作られた鳥居となると素晴らしいのは想像できる。
決して高くはないものかな、とは思います。


他にはお土産コーナー的なものもあり、
神輿Tシャツとかもありますが、
金属ストラップや「神輿女子」になれる漫画もあります。
「神輿女子」になれる漫画は100円なので、興味がありましたらぜひ。

とまあ、こんなところでした。

行徳は町おこしの題材として神輿をセレクトして、
今回のミュージアムで勢いをつける流れだったとは思うのですが、
祭りではなく神輿というのが、一般の方にとってむすびつきにくいのでは、と感じます。
祭り自体も、隣の浦安や浅草のほうで行われているというイメージですし・・・

この製作所ではこのミュージアム抜きで、学生による工房内の見学なども行っているようで、
地域の町おこしに非常に貢献されているようです。
おそらく行徳にお住まいの方なら、神輿に関してはすでに知られていることだと思いますが、
行徳外となると、行徳=神輿なんて連想は全くできないと思います。
その連想ができないエリア外にお住まいの方々が多く訪れてほしい場所だと思いました。

以上、行徳神輿ミュージアムをお送りしました。

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