File 227 虚無僧墓

田んぼと道しかない風景の中に残された、
一人の虚無僧のお墓。
はたしてどのようなところなのか?

虚無僧墓
【所在地】千葉県香取市大角 以下不明(ナビで指定できないため)
【地図】googleマップ
【HP】ありません。
【交通手段】車かバイクで。公共交通はムリ。


2014/01/26 訪問

私的にお気に入り場所、東総の捜索拠点となっている「風土村」。
こういったスポット捜索は、自分が自宅から簡単に行けるというか、
覚えやすく、早く、かつ安全に行けるポイントを千葉県でいくつか作って、
そこから根をはるように探すというのが、よいのではないかと思います。
ま、その1つである風土村ですが、東総有料道路の終点「大角」の近くにあります。

ちなみに「大角」は「おおとがり」と読みます。難読地名の1つですね。




風土村はいわゆる産地直売所風の場所なのですが、野菜ばかりではなく、
近くにあると思われるベーコン工房の商品が割と扱われています。
画像はそのベーコン工房の弁当なんですが、これまた美味いんですわ。
お値段は500円とビックリ。画像ではわかりませんが、かなり大盛りです。
割と数が少ないのですぐ売り切れるようです。早い時間にどうぞ。

で、この風土村のすぐ近くに、「虚無僧墓」なる物件があるという。
住所を頼りに調べてみます。



見つけるまでにあっちこっち回ったわけですが、一番わかりやすい行き方を。
東総有料道路の終点「「大角IC」のつきあたりT字路を右に曲がり、風土村方面に走ります。
すると、写真のように、左にスズキのディーラー、右に2つの看板が見えるところがあります。
2つの看板が見えるほうへ曲がります。



曲がってちょっと走ると、一面に畑ばかりの風景が見えてきます。



少し進むと「早朝ゴルフ練習 山田グリーンゴルフ」の看板が見えます。
目的地はこのあたりのはずなんだが・・・と見回すと、すぐに発見。



その看板の裏に、柵で囲われた場所がありました。
どうやらここが目的の場所のようです。



・・・と、その前にそもそも「虚無僧」って何なのか。
時代劇だと、ほぼ主人公に対して刀を抜く、怪しい人扱い。
彼らは何なのか。ということでググってみる。



虚無僧

普化宗(ふけしゅう)の僧。

虚無僧は「僧」と称していながら剃髪しない半僧半俗の存在である。
尺八を吹き喜捨を請いながら諸国を行脚修行した有髪の僧とされており、
小袖に袈裟を掛け、深編笠をかぶり刀を帯した。

(中略)

罪を犯した武士が普化宗の僧となれば刑をまぬがれ保護されたことから、
江戸時代中期以降には、遊蕩無頼の徒が虚無僧姿になって横行するようになり、
幕府は虚無僧を規制するようになった。



お坊さんなのに刀を持っていて、しかも一部は前科持ち。
自然と避けてしまう、そんな存在だったみたいですね。



で、説明をみてみる。

ふむふむ。

ここに祀られている虚無僧も、殺傷沙汰を起こして死んでしまったようですね。

刀が折れてやられた、ということなので、
刀を供えると願い事が叶うとのこと。

代わりの刀を出す→虚無僧が目的を遂げられる→御礼に願いを叶える。
スターウォーズの暗黒面の力みたいなもんですかね。



敷地に入ってみます。
冬なんですが、草ぼうぼうです。
こりゃ夏も冬も入りづらそうです。



説明版で書かれている「梵論塚」の手前には、
伝承をそのままに刀が供えられていました。



もちろんこの刀は真剣でもなんでもない、
おもちゃの刀です。

男のお子様がいらっしゃる家庭なら、
刀のおもちゃが出るところがあるとは思いますので、
お持ちでしたらここに供えてみてはいかがでしょうか?


・・・で、この一連の虚無僧の話で出てくる、もう1つのアイテム。
過去の虚無僧墓の資料を探してみたところ、
「お礼として高橋家に譲られた尺八」もこの墓のたもとに置かれていたようです。
しかし今は違う場所にあるとのこと。
とりあえずその場所に行ってみます。



場所を調べたところ、地元の一番の名家らしきところにたどりつきました。
その家の前には「第一山倉小学校発祥の地」の碑がありました。
先祖代々この地域を仕切っている立場の人が、その地域の文化財を保護している、そんな感じでしょうか。
残念ながらこの日は家人不在のため確認できませんでしたが、
アポをとればこの家にある実物の「虚無僧の尺八」が見れるようです。
興味がありましたら訪れてみるのもいいかもしれません。


とまあ、こんな感じの場所でした。

このスポットは負の力で願いを叶える黒魔術的な物件ということで、
日本においては全国的に珍しい場所とされています。
でも、そういう由来がありながらも隠された場所ではなく、
わりかしオープンな場所にあり、だれもが刀を備えて参拝できる状態。
日本人の立場から見ても、日本の不思議な文化の一面を知ることができる物件だと思います。

以上「虚無僧墓」をお送りしました。


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