File 218 神隠し神社(茂原市の日枝神社)

今年7月〜9月の間に茂原市内で発生した、女子高生行方不明事件。
保護された女子高生はなんと77日間、近所の神社で過ごしていたという。
はたしてどのようなところなのか?

日枝神社(本納駅付近)
【所在地】千葉県茂原市本納294あたり
【地図】googleマップ
【HP】ありません。
【交通手段】JR本納駅から徒歩15分程度。


2013/10/05 訪問

2013年7月11日、茂原市在住の女子高生が、
通学駅である本納駅から自宅までの道のりの間、忽然と姿を消してしまいました。

近年の変質者による誘拐事件の多さ。
比較的田舎であるがゆえの目撃者の少なさ。
家族の他人事のような、協力的とは言えないコメント。

いろいろな憶測を呼び、事件はそのまま未解決のままとなると思われていたのだが・・・

失踪77日後の9月26日。

行方不明だった女子高生が保護されたという。
発見された場所は、自宅からたった400mしか離れていない神社。

発見されたときは体重が半分になっていたものも、
意識があり、歩行ができる状態だったという。

当事者の女子高生は入院中のため多くを語らないため、真相は不明だが、
77日間この神社でサバイバル生活を送っていたことは事実であり、
まさに神隠しといえるべき事件でした。


今回はその事件の現場に行ってみました。



ここはJR本納駅。
千葉県の半島部中央では大都市である、茂原から6キロほど北にあります。
画像のとおり小規模な駅で、この駅近辺に住んでいる方用という印象。
少なくとも東京からこの駅にピンポイントで降りるケースは親族訪問以外はほとんど無いと思います。



駅を出てしばらくは個人商店がぽつぽつある程度で、街としては活気がありません。
このあたりで生活している場合、基本的な買い物は隣の茂原駅周辺まで行くことになると思います。



約2キロほど走ると、あっというまに周囲は畑だらけに。
とりあえずGPSを頼りに目的地を目指します。



こんな道を通るところも・・・
集落の外の人が女子高生を発見する可能性が低かったのがうかがえます。


で、その道を抜けると・・・道の脇にこんな感じの高台が。
上の柵の先から神社の屋根が少し見えます。
道からは神社自体がかなり見難い場所にあるのがわかると思います。



階段をのぼります。



階段をあがると、こんな感じ。
芝生が広がる、ちょっとした公園になっていました。

事件があったにも関わらず、誰一人といない。
そして、周囲に人の気配がない。
普段から静かなところであることがわかります。



遊具がわりと充実しているというのが第一印象。

なんだか奇妙だな、と思ったら、鳥居が無い。
鳥居が無い所為で、神社の雰囲気が消失してしまっています。

・・・ていうか隣。普通に家があるやん!
園芸をやっているぽいし、女子高生に気がついてもよさそうな気がするんだが・・・



神社の前まできました。
ここが神隠しの舞台となった「日枝神社」か・・・。

神隠しとなるともちろん「千と千尋の神隠し」を想像し、
さぞかし神秘的な神社かと思ったら・・・

すみません、先入観が先走っていました。



屋根が大きく張り出した、こじんまりとした建物。
この中で女子高生が77日間の大半を過ごしたらしい。

入口には事件が起きる前からも南京錠がかかっていて開かなかったそうで、
女子高生は入口の扉の左下の板を外して入ったそうだ。
確かに扉の左下の板が少し浮いているような。

発見されにくかった理由の1つに、
南京錠がかかっているのが遠目でもわかるため、覗かないと中に人がいてもわからない
というのがポイントですね。
警察が捜索していたとき、南京錠を見てスルーしたのかもしれません。

中を覗いてみると・・・


非常にシンプルです。
ご神体と供え物、神社の額ぐらいしかありません。

77日間の生活の痕か、床に染みがありました。
隙間から匂いをかいでみましたが、ホームレス的というか、便所的なにおいがしました。
なりふり構わず、泥臭く必死に生きぬいた感が漂っています。



中央に祀られているご神体。
そして事件解決の重要なキーとなった餅。

発見者によると、この餅を供えなおそうとしたら、横になっている女子高生発見したそうだ。
その餅が粉々になっていることから、事件の後、備えなおしてなさそう。

仮に事件のときの状態そのままだとすれば、女子高生が少し口にしていたんでしょうか。


で、神社から見て周囲はどうなのか。
77日間、当たり前のように見続けた風景はどんな感じなのか。
神社の正面から、周囲の風景をパノラマモードで撮影してみました。


神社正面からの風景パノラマ写真

この写真からわかることは、隣の家を除き、このエリアで最も高い建物になるので、
神社に直接来ない限り発見することは不可能だったということです。
そして南京錠。見つかりにくいのも少しわかるような気もしました。

で、生活するために必要なものはどうしたのか。
畑はすぐ近くなので食糧補給が可能。
そして重要な水は、この場所から道路沿いにほんの少し歩くと池があります。
日中で人気が無い場所なので、深夜に汲みに行ったりしていれば、気づかれずに調達できると思います。



そして。テレビで放映できないブツ。



この掲示板は「神隠し神社」から、50mぐらいのところにあったものです。
表立って「この周囲は某宗教の人が住むエリアですよ!」って警告しているようなもんです。

それに事件のあったこの神社には、某宗教の敵である鳥居が無い奇妙な構造なのです。
ということは、某宗教の人でも気軽に近寄れる場所、ということになります。

一部で女子高生の親族が「某宗教ファミリー」であるという報道がありますが、
仮にその親族が「公明党に投票しない側の人」だったとすると、
「公明党に投票する側の人」がたくさん住んでいるエリアには近寄れないと思います。
ここは偶然にも、親を避けられる条件が成立している場所だったのかもしれません。

とまあ、こんな場所でした。

この神社と周囲の環境を実際に自分の目でみた後、自問してみる。

77日間の失踪の舞台であったこの神社で、
自分が同じ77日間を生きてかつ、近所にバレずにやり過ごせるか?
しかも準備は全くなく。
自分で言うと、会社帰りにそのまま消えるように、ですよ?


絶対無理だろ・・・・


77日間を生き抜いた女子高生の精神力と慧眼に、ただ驚嘆するしかありません。
女子高生の生存の報を最後に、この事件は報道されなくなると思いますが、
あなたはこの事件を記憶にとどめておきますか? そのまま忘れてしまいますか?
現地を見渡し77日間をシミュレーションしてみれば、
奇妙な事件の記憶を脳に刻みつけておけるかもしれません。


以上「神隠し神社」をお送りしました。


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