File 209 千葉の円筒分水

全国屈指の農業生産量を誇る千葉県。
農業に欠かせない水の配分争いを解決するために設置されている、
現役の円筒分水が見られるところがあるという。
はたしてどのようなところなのか?

両総用水 東金円筒分水ユ
【所在地】千葉県東金市田間1917?2
【地図】googleマップ
【交通手段】車かバイクで。車の場合、物件周りに停めるところがありません。

多古円筒分水
【所在地】千葉県香取郡多古町船越
【地図】googleマップ
【交通手段】車かバイクで。

2013/05/11 訪問

数日前に少しずつ買っていったデジイチの道具が全て揃い、
出張から戻って落ち着いた本日から実戦投入を決めていましたが・・・

土砂降り。

この日は佐倉の川村美術館で行われていたクラシックカー展示会に行っていたのですが、
空はどんより、時折激しく降る雨のためにPモードを使ってばかりで練習にならず。
美術館を出たらそのまま帰ろうかと思ったのですが、
雨が降っているなら降っているで、撮影するのが楽しそうなものを考えたところ・・・
「分水嶺」なんかどうかなと思い、東金にある物件に行ってみることにしました。

なお、今回の画像は新カメラを使っていますが、
ホワイトバランスをオートにしてしまったため、
雨天の影響を受けて全体的に暗い感じになっています。ご了承ください。



場所の目印は、ベイシア東金店。
左の柵の下は川になっていますが、この川沿いの道を進んでいきます。



川沿いの道。
こんな感じの道がしばらく続きます。
ひたすら直進です。


直進していくとT字路になっています。
そのT字路の向かいに、門柱のようなものがある空間があります。
ここが目的の場所です。


入口を抜けると、どうやら左のほうに空間が抜けているようなので、
左のほうに進んでいきます。


うっそうと茂る木々に視界がさえぎられていますが、
分けて進んでいきます。


すると・・・何やら見えてきました。
もともと公園のように定期的に整備されている場所のようですが、
今日はたまたま緑が多いときに来てしまったのかもしれません。

右の柵の先をみてみると・・・



おおーっ!結構スゴイ!
思ったより大きいです。

物件は「両総用水 東金円筒分水ユ」とのことです。


説明。
昭和30年に完成、今もなお現役であると。

円筒分水の仕組みですが、
中央の円にサイフォンの原理で水が組みあがるようになっていて、
円の周囲の凹凸に仕切り板を管理者が決めた配分どおりにつけて、分けていくと。
きれいに分けられているのが目視できるのが重要なので、
自然と見て飽きないデザインになるのではと思います。


デジイチ初心者がよくやるシャッタースピードを調整を中心として、
水際を意識して撮影します。
以下、いずれも違うシャッタースピードで撮影しています。






いかがでしょうか?

この水量がとめどめもなく流れていくのですから、
迫力があるのはわかっていただけたかと思います。

で、コレで終わると思いきや・・・・
この東金の円筒分水は見るのが簡単なものの1つで、
もう1つの物件を除き、見るのが難しいものとなっています。
それならばそのもう1つを見るだけで、
千葉の円筒分水コンプリートとなってしまうんでは?

というわけで、その日にもう1つを見てみることにしました。
場所は・・・千葉県香取郡多古。



多古の中心街にあるコメリとセブンイレブンの間の交差点を曲がり、
県道79号に入り、車で5分ぐらい走るとバス停船越入口があります。

この写真から、バス停の向かいにあるのがわかると思います。
道路を渡り、青い柵のほうに行ってみます。



東金の物件と違い、シンプルな感じです。
階段をあがると・・・



独特の形。間違いなく円筒分水ですね。
名称はそのまんま、多古円筒分水です。



別アングルから。

大きさは気持ち、東金の3分の1ぐらいかな。



ただ、東金はちまちま分けていますが、
こちらは豪快に半分に分けている感じです。
まんべんなく流れている円筒分水をみたければこっち、という感じでしょうか。


円筒分水周辺の景色。
田畑が広がり、この円筒分水の重要さがうかがえます。

とまあ、こんな場所でした。

円筒分水はもうちょっとこじんまりしていて、そのへんの川の堰みたいなイメージでした。
しかし、実際にみてみると「動きのある水」があるとやっぱり違う。ハマりました。
今回の2件は、基本的に見るのが簡単な物件です。
他は屋内にあるとか、私有地の中とか、柵に覆われて見えない等の問題があり、
見学は容易ではありません。
そういうことを考えると、こうやってフリーで見学できる円筒分水は、
全国的に見ても意外とレアなスポットであると思います。

デジイチ初心者や、高級コンデジをお持ちの方にも、
「動く水」を撮るにはうってつけの物件。
興味があればぜひ訪れていただきたいスポットだと思います。

以上、「千葉の円筒分水」をお送りしました。


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