File 207 大房岬の要塞跡地

戦時中の館山、金谷、富津に並ぶ、
東京湾防衛のための基地の跡地。
はたしてどのようなところなのか?

大房岬ビジターセンター
【所在地】千葉県南房総市富浦町多田良1212−29
【地図】googleマップ
【HP】大房岬ビジターセンターのHP
【交通手段】車かバイク推奨ですが、JR富浦駅が近いので、公共交通でも可能。


2013/04/14 訪問

私は2年前にアウトドアの楽しさを知り、こつこつキャンプ道具を揃え、
今現在はバイクにテントその他を積んでキャンプツーリングを行うレベルまできています。
ですが知識が未熟なこともあり、県内のキャンプ場を中心に練習しているような感じで楽しんでいます。

それはさておき、レポのタイトルにある「大房岬」。
読み方は「たいぶさみさき」です。

ここでは千葉ではわりと有名なキャンプで、
シャワーはありませんがトイレや水場が整備されており、
値段も二輪料金が設定されていて600円ちょいと安いので、
キャンプツーリングには格好の場所となっています。
このレポの写真を撮った日は、大房岬でキャンプしていました。

で、この「大房岬」ですが、ペリーの黒船来襲の時代まで遡り、
江戸の時代から続く、東京湾防衛の重要な拠点となっていました。

実際、大房岬内の案内にも、江戸時代の砲台の跡地、大戦中の砲台の跡地がそれぞれあったりします。
そのほかにも弁財天の洞窟といった面白い伝来の洞窟なんかがあったりして、
なかなか面白い場所となっています。


しかし。

今回私はキャンプしていたのでよいのですが、
観光で1時間ちょいだけ寄ってみよう、というような感覚で訪れる方もいると思います。

みどころの地図を見る限りでは十ヶ所ぐらい観光ポイントがあるのですが、
この大房岬は結構広く、一番の問題はアップダウンが激しいこと。
そのため、ドライブやツーリングの途中でよると、体力を消耗した上、
予想以上に時間を食ってしまい、後悔する人は結構いるのでは、と思います。


というわけで、大房岬に寄った場合、
このHPをご覧になっている方にオススメできるスポット1つだけに絞込み、
それ以外は観なくてもいいんじゃないか、というような考えでレポを作成しました。

そのスポットは「要塞跡地」です。


By google地図

大房岬へ行く方法はわりと知られていないのですが、簡単です。

館山道の終点、富浦ICで下りた場合は、「道の駅とみうら」に向かいます。
「道の駅とみうら」からそのまま海の方向に走っていくと、T字路につきあたります。
そこを左に曲がると、すぐに直進と右折レーンがある分岐がありますので、そこを右に曲がります。
右に曲がったらもう一本道で大房岬にたどりつけます。

進んでいくと広い駐車場がありますので、車、バイクはここに停めて、この先は徒歩になります。
キャンプをする方に限り、この先の道に進むことができます。

で、この駐車場から「大房岬ビジターセンター」を目指してください。
大房岬の地図は駐車場前の案内所にあります。



駐車場から5分ほど歩くと、「大房岬ビジターセンター」に到着します。

次にここから「第二キャンプ場」を目指します。



第二キャンプ場への道。
数分歩いていくと・・・



右側に階段が見える場所に出ます。
この階段を登っていきます。



しばらく進むと、右手に・・・



要塞跡地の看板があります。もうすぐです。



周囲が森になってきました。ちょいと歩いていくと・・・



突如出現!要塞跡地につきました。

ただし、厳密に言うと要塞の一部で、正式には「探照灯格納庫」です。
そりゃ大房岬全体が要塞でしたからね・・・



まずは高台から見下ろすような視点で要塞を見学できます。



階段を降りて、特徴的なトンネル部分へ。



館山の防空壕等を比べると、なめらかな壁でできています。

天気が良い日でしたので、トンネルの先に幻想的なものが見えています。
天気が悪いとこんなにきれいに見えません。あしからず。



トンネルのおわり。
普段生活している日常では見ることのない、謎の造型物があります。



上は吹き抜けになっており、
溝で隔離された向こう側には台形の物体、
右側には石段が溝の下に続いています。



トンネル部分はだいたい3mぐらい、
溝の一番下から吹き抜けの一番上までは8mぐらいかなと思います。



溝には水がたまっており、入ると非常に汚れてしまう感じなので、
入って向こうに渡る勇気が出ませんでした。


この施設は全体的に白いなめらかな壁なのですが、
一部こんな感じで、電気と思われる配線の跡がみられます。

「探照灯格納庫」ですから、
いわゆるサーチライトを隠したり出したりする遺構であると思うのですが、
この配線の跡以外はメカニカルなものがないので、
どのようにして格納していたかは想像がつきません。



トンネルを戻り、要塞の上部に出てみます。
階段をのぼり、海側のほうに歩いてみると・・・



柵で囲まれたところに、さきほどの吹き抜けが見えます。



別アングルで。


とまあ、こんな感じの場所です。

この「要塞跡地」以外の観光ポイントは砲台跡やら、展望塔やら、海が見渡せる展望台だったりしますが、
いずれも階段を登ったり下ったり、あるいは長い距離を歩く必要があります。
特に「洞窟」は非常に体力を消耗する地雷物件でオススメできません。
それらと比べると「要塞跡地」は比較的体力を消耗せず、
他のポイントと違い、これらの画像のようにインパクトのある造形物が見られます。

というわけで、大房岬のチョイ寄り観光は、
このレポの「要塞跡地」を見学のみがオススメかなと思います。

以上、「大房岬の要塞跡地」をお送りしました。


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