File 203 ふくろうの城

木更津の内陸で猛禽類繁殖業を営むかたわら、
ふくろうと触れ合うことができる喫茶店がオープンしているという。
はたしてどのようなところなのか?


【所在地】千葉県木更津市菅生529
【地図】googleマップ
【HP】ふくろうの城のHP
【交通手段】久留里線 上総清川駅から徒歩5分程度だが、車・バイクで行くのが無難。


2013/1/13 訪問

フクロウと言えば、縁起物としてよく扱われる鳥かなと思います。
海外では女神アテネの従者だった関係で、「学問の神様」とか「森の賢者」とか言われたりしています。
実際、受験生にはふくろうの木彫り物なんかがプレゼントされるようです。
日本でも「不苦労」なんていわれたり、不思議な生態もあり、
他の鳥より1ランク上の鳥として扱われているように感じます。

そんなフクロウですが、某情報筋からのタレコミで、
木更津市内に喫茶店とフクロウ飼育小屋を併設した店があるとのこと。
フクロウはただでさえ見かけることが少ない鳥ですし、
それをコーヒーを飲みながら見ることができるというので、早速訪問してきました。


ここは木更津の内陸を貫く国道410号が交差しているあたり。
大きな目印としては、近くに久留里線の上総清川駅があります。
高架の上の道路は通り過ぎると戻るのが大変なので、
確実に行きたい場合は、久留里線の線路に沿って走っていけば間違いないと思います。
google地図上では「すみれフーズ」となっている建物が今回の物件の場所です。


物件は道路から畑をはさんで、こんな感じで見えます。
右の細い道をたどって進んでいきます。


てなわけで到着。
ここが今回の物件、「ふくろうの城」になります。


この建物に来てすぐに気がつくのは、
建物側面が飼育小屋になっていること。
近づいてみると・・・


こんな感じでフクロウがじっと自分を見ています。
左のほうはほとんどが鶏ですが、尾長鶏も含め、さまざまな品種を飼っているようでした。

ひとまず店内に入ると、ここのオーナーの方からすぐに声をかけられました。
当然外の小屋で飼われているフクロウに興味があるとかそういうお話になるわけですが、
オーナーのほうからフクロウの飼育小屋に入って見ないか?と聞かれ、
言葉に甘えて入らせていただくことになりました。



オーナーに案内され、飼育小屋の入口へ。

小屋の入口で、鳥のツメが食い込んでも平気なように、
厚手の革手袋を装着します。
その手袋の上にフクロウが手乗りするそうだ。
なんかすごい場所です。

今のところ小屋の中には、
アメリカの鷹1匹
隼っぽいの1匹
メンフクロウ3匹
コキンメフクロウ1匹
デカイミミズクっぽいの1匹
が飼育されています。

ちなみに日本の鷹は条約で取引が禁止されているので、
海外の鳥を輸入しているそうです。



オーナーが私の手に乗せてくれたのは「メンフクロウ」。
最初はバサバサ翼をはばたかせて落ち着かなかったのですが、
いったん手に乗るとそのまま、じっととまったまま。


率直な感想ですが、見た目より軽い。
同じ大きさの猫が同じように腕に乗ったら結構重いと思うのですが、
フクロウは異次元の軽さ。腕に負担を全く感じないです。

そしてフクロウが手に乗る非日常感。滅多に無い経験です。



こちらも乗せていただきました。
小難しい名前は忘れましたが、
種類で言うと英名ファルコン、日本名では隼。
隼の種類なだけで、一般で言われる隼そのものではないですが、
近くで見るとカッコええ!



オーナーが手に乗せているのは「コキンメフクロウ」。
これでも成鳥だそうで、小さいフクロウの種類だそうだ。
メンフクロウと並ぶ、フクロウとしては飼いやすい種類の一つらしい。



デカイミミズクっぽい鳥。30cmぐらいはあったかも。
私がこの小屋に入っている間も全く動かず、
オーナーによると、飯を食べるとき以外はほとんど動かないそうだ。


オーナーとメンフクロウの2ショット。
様になっています。

実はもうちょっと撮影したのですが、
小屋が薄暗いため、ブレが出て使える写真が少なかったのです・・・
逆に言うとフルオートで撮影するとフラッシュになる環境なので、
ここで撮影する場合はフラッシュさせないようにに気をつけてください。


その後は店内に入り、
コーヒー(300円)をいただき、いろいろお話をうかがいました。

○ここは去年の11月頃にオープンした。
○今この店にあるフクロウは昔から飼っていたわけではなく、
 オープンと同時にここで飼育を始めたので、まだ慣れていない。
○店内には木の枝がはりめぐらされており、慣らしたフクロウを店内で飼う予定だったが、
 前述のとおりまだなれていない等の問題があり、まだ実現に至らず。
○餌はオスのひよこ。メスのひよこは卵を産むが、オスは産まないので安く手に入る。
○ひよこを食べるときは丸呑みして、後で毛と骨を口から排出する。
 ひよこを食べるところをみたければ、12時頃に来るといいとのこと。
○メンフクロウは生体販売で15万円位。
 止まり木、夜に入れるゲージ、えさの調達ができれば飼えるとのこと。

こんな感じでした。

ちなみに店内は外見からは予想できない、夜のスナック店の雰囲気になっています。
カウンターが10席ぐらい、テーブル席が3つぐらいありましたので、
よほどの人数で来ない限りは満員で入れない!ということはなさそうです。


店内の一角に保温機があり、
去年生まれたばかりの赤ちゃんがいるとのこと。
のぞいてみると・・・


かわいらしいメンフクロウの赤ちゃんがいました。
名前はまだ無いとのこと。
もちろん成長してしまったらこの姿は見られないので、
見たければ早いうちに行くのが吉。

とまあ、こんな場所でした。
コーヒーを飲みながら、滅多に見ないフクロウを目の前で見ることができる。
おまけにオーナーは積極的で、手乗りフクロウまでさせてくれる。
これは近くの○イツ村とかと比べると、コスト的にも人情的にもはるかに素晴らしい施設かなと思います。
周囲の道路もそれほど混んでいないので、場所がわかれば車、バイクで行くのも簡単。
かかるお金もコーヒー代だけ、移動する時間がかからない、オーナーも人柄が良いし、つける注文はなし。
気になったらすぐに行ってみてほしい、超オススメスポットです。

以上、ふくろうの城をお送りしました。

>>Return