File 201 臼井八景
昔、印旛沼のほとりを統治していた臼井家の後裔とお坊さんが、
印旛沼が美しく見える場所8箇所を選定したという。
はたしてどのようなところなのか?
【所在地】印旛沼周辺
【地図】
【HP】ありません。
【交通手段】徒歩はかなり大変。自転車が最適かも。
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2012/12/09 訪問
私の住んでいる八千代市から、さほど時間をかけずに、
自然豊かで景色のよい場所に行くとなると、印旛沼の1択となります。
初めて印旛沼を訪れた人々にとっては、印旛沼のどのあたりで車を止めて、
眺望を楽しめばいいのか?という疑問が出てくると思います。
同じような印象を抱くと思われる手賀沼のほうはというと、
展望台のようなところが数ヶ所あるのでわかりやすいと思います。
印旛沼は風車がある広場(File 178 幻の江原台駅 を参照)、
マンモス広場ぐらいしか、思い当たる施設はありません。
では、どこが正解なのでしょうか?
現代においては、正解はありません。
しかし、そういった考えは約300年前にもあったようで、
その昔、印旛沼周辺を統治していた臼井家の末裔と、隣にあったお寺の住職の2人で、
臼井周辺8ヶ所に「印旛沼が美しく見える場所」を選定しました。
それが「臼井八景」となります。
今回は仕事続きで心が荒んでいることもあり、
「臼井八景」を全部回ってリフレッシュしようということで、訪問してきました。
で、地図はというと・・・
事前に「臼井八景」でネット検索して、手に入れた地図を元にして捜索したわけですが、
その地図が示すポイントのあいまいさが非常に絶妙なため、非常に楽しめました。
なので、あえて地図を掲載しません。
そしてこのレポの中でも、場所はヒントのレベルでしか書きません。
検索すると見つかる地図を参考に、皆様も挑戦してみていただければと。
まずは八景の選定を行ったという、円応寺のほうに行ってみます。
印旛沼の南西方向にあります。
県道をゆっくり走っていけば看板が見えるので、それほど迷わないと思います。
ここが円応寺になります。
見た限りでは地域密着のお寺で、観光向けの雰囲気はあまり無いです。
説明版。
城&お寺を一緒に燃やしてしまった酒井家次って、「信長の野望」では微妙な武将だった記憶がある。
それはさておき、酒井家に城を取られる前は臼井(うすい)家が統治しており、
この地域の地名にもなっているぐらい栄えていたようです。
城が燃えてしまったあとの元禄11年(1698年)に、このお寺の住職さんと臼井家の後裔の2人で、
中国の瀟湘八景(しょうしょうはっけい)をオマージュして、
印旛沼がきれいに見える場所8箇所を選定したのが臼井八景であり、現在に至るわけです。
とりあえずお寺の近くに臼井城跡があり、そこに1つあるそうなので行ってみます。
お寺を出てすぐのところから3分で行けるとのこと。
バイクなので1分もかかりませんでしたが、
車だと停める場所がありません。
臼井城址公園入口。とりあえず登っていきます。
結構急な角度で、石垣もちらほら見えるあたり、
ここが昔城郭であったことが感じられます。
とりあえずこの公園内で、印旛沼が見渡せるところに出てみる。
この写真の場所が一番印旛沼が見えるのだが、
看板のようなものは見当たらない。
この臼井城址公園はわりと広そうなので、
ここでヒントも求めて苦戦するよりは、
残りを探しあてて後で戻ればいいかと考えてここは一時撤収。
次の場所は印旛沼の西にある「八幡台」という住宅街の中にあるという。
しかし、あの地図のポイントが微妙にあいまいで見つからない。
グルグル回りながら探していると・・・ありました!
ご覧のような看板が建っており、このあたりが八景の1つですと書いてあります。
州崎晴嵐(すざきせいらん)
「ふき払ひ雲も嵐もなかりけり州崎によする波も静かに」
ちBポ風訳:州崎という場所は波が静かで、雲もモヤも無い晴れた日はきれいだの〜
とりあえず八景の場所に看板があることがわかったので、
この看板をそれぞれの場所で見つけることによって、
八景の1つ1つを制覇していくという感じになると把握。
次にいきます。
次に到着したのはかっぱ公園。
シュールなカッパがいます。
そこから印旛沼方面を探すと・・・ありました。
舟戸夜雨(ふなとやう)
「漁する舟戸の浪のよるの雨ぬれてや網の縄手くるしき」
ちBポ風訳:ここ(舟戸という地名)のあたりで、
夜の冷たい雨の中で漁なんかすると、縄を握るのも冷たすぎてツライ!!
こちらはサイクリングロードの折り返し地点のような感じで、
周辺は整備されていて簡単に見つけられます。
ていうか、ここが一番簡単に見つかるかも。
次は橋を渡ってこのあたり・・・とおもったが、見当たりません。
この橋を何回も往復して探していると、意外なところにありました。
例の看板は沼側を向いて看板が設置されていて、何回も往復していた道路側からは見えません。
これじゃすぐにわからんわ。
師戸帰帆(もろときはん)
「もろ人の諸戸の渡り行く舟のほのかに見えてかへる夕くれ」
ちBポ風訳:夕暮れに、もろと(師戸という地名)に船がもろもろ帰っていくwwwダジャレwwww
次はサイクリングロードの途中にあるらしい。
サイクリングロードをひたすら歩き・・・なんて面倒なことはせず、
バイクでサイクリングロードの脇道をひたすら走って捜索。
結構遠回りになったところで発見。
瀬戸秋月(せとしゅうげつ)
「もろこしの西の湖もかくやらんには照る浪の瀬戸の月かげ」
ちBポ風訳:秋の月夜、ここの対岸にある瀬戸いう地名の場所と、
湖面に映る月が一緒に見えるのが、中国の西湖の景色と似過ぎでワロスwww
さらにサイクリングロードを進んでいくと・・・
高い木が並んでたっている特長的な場所があります。
ここの印旛沼沿いに・・・ありました。
遠部落雁(とおべらくがん)
「手を折りてひとつふたつとかぞふればみちてとをべに落つる雁がね」
ちBポ風訳:雁が1匹・・2匹・・・全部で10匹か。
あら、ここ遠部って場所だったわ。とお=10だわwww偶然ワロスwww
例の風車のある広場を通過し、ほぼ対岸まで移動。
診察日が1週間に1日しか無い立派な建物の病院へ。
そこの裏手に行くと・・・ありました。
飯野暮雪(いいのぼせつ)
「ふり積もる雪の夕べを見ぬ人にかくといひののことの葉もなし」
ちBポ風訳:ここはいつも雪積もりすぎwww
見てない人にこの状況を伝えたいんだけど、いつも言葉がみつからない。
だってここ、言いNo!って地名だからwww
次。
光勝寺というお寺に行けばいいっぽいので、楽勝!
かと思ったら結構難しかった・・・
近くの道を走っていても、このお寺への案内が見つからないのです。
結局、周囲の道を総当りで発見。これは難しい。
ここが光勝寺です。
普通の立地に見えそうですが、地形自体がものすごい角度なんです。
そしてお寺の敷地内を探すと・・・ありました。
光勝晩鐘(こうしょうばんしょう)
「けふも暮れぬあはれ幾世をふる寺の鐘やむかしの音に響くらん」
ちBポ風訳:お寺の鐘の音が聞こえるな〜今日も1日終わりか。
にしても時代は変わっても、このお寺の鐘はいっつも同じ音だよ。マンネリすぎ・・・
これで7つ。
残りの1つは、最初に訪れた臼井城跡にあるはずなので、
戻ってもう1回捜索。
・・・見つかったけど、こりゃ見つかりにくいわ。
だって、印旛沼がきれいに見える眺望ポイントのすぐそばに看板があると思って探していたもん・・
城嶺夕照(じょうれいせきしょう)
「いく夕べ入日を峰に送るらんむかしの遠くなれる古跡」
ちBポ風訳:オラ、臼井の殿様になるはずだったんだ!
でも城燃えちゃって・・・ううっ、グスン、城の跡から夕日に向かって叫んでやる!「酒井のバカヤロー!」
というわけで臼井八景コンプリート。
とまあ、こんな感じでした。
七福神巡りとかに比べると狭いエリアのはずなのですが、
看板の位置は八景探訪者にとってなかなか見つけがたいものとなっています。
サイクリングロード途中にあるので車、バイクが使えなかったり、
周辺が狭くて駐車できなかったりとか、
交通手段によってそれぞれのポイントの難易度が変わるので、なかなか手ごわいと感じました。
八景回ってみて感じたのは、
風車のある「ふるさと広場」で自転車を借りて回るのが一番いいかなと思いました。
自転車を借りたときに「臼井八景」の案内があるかは確認していませんが、
この臼井八景を回るコースのチラシみたいなのがあれば、
サイクリングコースとして結構楽しめるんではないかと思いました。
以上、臼井八景をお送りしました。
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