2012/07/04 訪問
最近は仕事が落ち着いてきたとは言え、週末休みは少ない日々を送っています。
平日休みが多くなってきていることもあり、今後のスポット探しの方針として、
平日にオープンしている物件を中心に巡ってみようかなと思っています。
その一発目として、茂原市街地からそう離れていないところに、
鉱石が題材の博物館があるという情報を得ていたので、早速訪問してみました。
茂原中心街から東南方向に国道128号を進んでいくと、こんな看板が見えてきます。
バス停留所の名前は「合同資源前」で、茂原駅から10分程度で行くことができます。
この会社の本社は東京にあるのですが、
茂原の支社はいわゆる「南関東ガス田」エリア担当で、
ヨード、天然ガス等の資源開発に携わっているようです。
正門を抜けてすぐのところに建物がありますので、中に入ります。
中はオフィスになっており、とりあえずそこに居た人に、
「磯部鑛石資料館」への入館を申し出たところ、
本来は事前に連絡する必要があるとのことでしたが、今回は大丈夫のようでした。
建物の2階にあがり、入館許可の書類を記入。
許可証を自分の胸と車のフロントガラスにつけて、敷地を歩いていきます。
案内の方について歩いていくと、建物が見えてきました。
ここが「磯部鑛石資料館」です。
この「合同資源産業株式会社」の初代社長である磯部清氏は、
日本の地下資源、すなわち金山、銀山、銅山その他鉱山の開発に携わってきており、
その合間に収集してきた鉱石標本を展示しています。
ポイントは現在すでに閉山されている鉱山の資料がかなり多く、
昔稼動していた鉱山ではどういうものが採取できたかを示す重要な資料群なのです。
「磯部鑛石資料館」は平成3年頃に完成、
平成6年9月から一般公開されているようです。
入館は無料。ただし開館は平日のみです。
中に入ると・・・・
ショーケースの中にずらりと鉱石のかたまりが並んでいます。
資料地域別に分かれており、案内の方から、それぞれの鉱山の特徴についておおまかな説明があります。
いや〜それにしてもずいぶんあります。
同じような鉱石の博物館は、上野の国立博物館の3階で観たことがあるのですが、
それより展示物のサイズがはるかに大きいし、数も多いです。
こんな感じ。
基本は鉱石内の目的の成分よりも、掘ったときに自然に見える状態を重視しているようにみえます。
そりゃ出るのが何だかわからないで鉱山を掘るのは馬鹿馬鹿しいですよね。
1階だけかと思いきや、2階もあります。
例によって案内の方についていきます。
2階にある2部屋のうちの1つ。こちらにもずらりと並ぶ鉱石資料。
虫眼鏡というか、光があたらないので見えにくいものも、
ケースをあけて見せてくれました。
説明熱心で頭が下がります。
この石は中央の黒いところと白いところの境にキラキラしているのが見えるのですが、
日本で金銀を掘って取れるのはこれぐらいのレベル、というのがわかる標本です。
本当にちっちゃい粒粒がキラキラしているのですが、やはり写真だと伝わらない。
現地でどうぞ。
自然金とか。
この形で採れるのは非常に稀で、採ってもそのまま加工されて市場に流れてしまう。
こういう塊は非常に貴重な標本なんだそうです。
一般的な鉱石の標本。
もちろんこれでは足りないから、
こういった資料館が作れるレベルの収集が行われたんでしょうね。
2階のもう1つの部屋。
こちらは海外のものがメインになっています。
ダイヤモンド。割ればたくさん出るかもしれないが・・・
枕ほどある、巨大なオパール。
イイ形の重晶石。
美しい。
髪の毛みたい。
クジャク石。
アメリカ産の金。
オーストラリア産の金。
海外の標本と日本のものを比べてみると、
海外で金その他の一攫千金的な資源がたくさん採れ、
日本の鉱石では一山当てないと簡単に採れないような気がしてきます。
江戸時代は黄金の国なんて言われて金銀がたくさん掘れたわけですが、それは大昔の話。
国内の金銀銅山は大半が閉山、資源大国にはほど遠いのが現状です。
まだ先は不透明ですが、深海に眠るメタンハイドレートに期待がかかっていますが、
ぜひ成功させてほしいものです。
この博物館は日本における鉱山資源の少なさをひしひしと感じさせてくれます。
2階の吹き抜けに飾られていた写真。
これらの鉱石資料を収集した磯部清氏になります。
とまあ、こんな場所でした。
正直、期待以上のハイレベルの素晴らしい博物館でした。
平日のみ開館ということが、多くの人に触れさせる機会を減らしていますが、
平日に休んででも観に行く価値は十分にあります。
普通の博物館に飽きたらぜひ訪れてみてください。オススメです。
以上、磯部鑛石資料館をお送りしました。
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