File 183 シャトー ド コーマル

柏市の閑静な住宅街の中にある、
建築デザイナー自らの手で作られたお城。
はたしてどのようなところなのか?


シャトー ド コーマル
【所在地】千葉県柏市東柏1−21−15
【地図】googleマップ
【HP】シャトー ド コーマルのHP
【交通手段】柏駅東口東武バスにて刈込下車徒歩5分。

2012/02/11訪問

私は昨年末に滝口順平氏が亡くなられたことをこのHPに書くぐらい、
土曜日の朝9時半放映の「ぶらり途中下車の旅」が好きです。

同番組を2週間前に観ていたところ、この物件が紹介されました。
先週は多忙だったため訪問できず、本日訪問となりましたが、
結果的には大正解でした。かなり運がよかったな、と思いました。

この物件は車、バイクでは行くのがちょっと難しいので、
道案内を含めてレポしたいと思います。


千葉市、八千代市側から国道16号を北上、柏方面に走っていくと、
途中に大きめのトンネルがあります。
その名もそのまんま、「柏トンネル」なのですが、物件はこのトンネル上の住宅街にあります。

住宅街ということもあって周辺の道はごちゃごちゃしていますので、
HPに掲載されている地図を記憶していないとたどり着けないと思います。
千葉市側からこの物件へ行くための案内図は目印が少なめなので、
柏側のトンネル入口からの案内図に従って進んでいきます。


こちらが柏側からの入口。
看板に「柏隧道」、柏トンネルと書いてあります。
このトンネル左脇の坂道をのぼっていきます。


前出の坂を上って右ですぐに住宅街になります。

道の覚え方ですが、坂をあがって右、左、右、左、右です。


というわけで無事に「シャトー ド コーマル」に到着。

「ぶらり途中下車の旅」で柏駅から降りて、なぜここまで来れたかは言及しないように。


周囲は比較的新しい住宅街になっておりますが、
このお城自体はなんと30年かけて作られたものだそうです。


向かいに公園があるので、そこから撮影。
ラブホテルによくフランス風に似せた建物がありますが、
こちらは別格。本場の雰囲気が感じられます。


建物の入口には泉。
これがあるだけでも印象が全然違います。


入口。
早速入ってみます。お邪魔します。

・・・TV放映があったためか、混んでいましたので、
私とほぼ同時に入った男性、和服の女性としばらく待ちます。

しばらくすると城主の高丸氏が現れ、
入口から入って右の部屋が喫茶部屋に案内されます。

この部屋は喫茶店になっており、いろいろなメニューがありますが、
基本は城内の見学+一杯で500円となっています。


・・・・ですが、今日は特別なイベントがありました。

ちょうどこの日は、このお城にある茶室(!)でお茶会が行われているそうで、
予約制なのですが参加枠があるそうなので、参加してみたらということで
言葉に甘えて参加させていただきました。
このお茶会は月1回ペースで行われ、
1500円のお手頃価格で本格的なお茶会を体験できます。

ということで、お茶会に参加。

高丸氏の奥様に城の奥に案内され、そこに広がっていたのは純和風の世界。
武者鎧やら、金色ピカピカの仏壇やら、巨大絵画やらを鑑賞し、
茶室前の部屋で靴下を履き替えて扇子と和紙を受け取り、
入るときの作法を説明されながら、狭い入口をくぐって茶室に。

膝を擦って移動、手を使わずに立ち上がる、
茶室の壁に書かれている掛け軸を扇子を前に置いてお辞儀して鑑賞、
今日使う道具の前に移動して、扇子を置いてお辞儀して鑑賞、
お茶を入れてもらい、お菓子をとって、お茶を飲んで茶器を鑑賞、
こんな感じでした。
私ともう1人の男性は初心者ということで、
最初から最後まで丁寧に指導していただけました。

参加者の中の茶道経験者からは、
「他とは違っていい道具が使われている」と言っていましたので、
たぶん並みのものとは格が違うものでお茶を飲んでいたのかもしれません。

そのほか茶室の中における、建築での工夫点などの解説もありました。
おそらく一般的な訪問(冒頭での500円コース)ではこの部屋は入れないようで、
今回の1500円はかなり安いと思います。



お茶会が終わって喫茶部屋に戻るとお客さんが2人増えており、
お茶を一緒に飲んだ男性と、お客さん2人と私の4人で場内を回ります。

写真撮影ですが、もちろん高丸氏には許可を取って撮影していますが、
基本は高丸氏が案内中に撮影がOKかNGか指示が出ますので、それに従う感じです。

この画像は入口すぐの踊り場的なところ。
ひな祭りが近いということで、雛人形が飾られています。


この建物の基本的な装飾デザインはこんな感じ。
18世紀のフランスにおける、「ロココ様式」を再現しているとのことです。
画像曲がってしまっていますが、他の写真は大きく人が写っていますのでコレで勘弁。


最初に案内された部屋から、博物館的なエリアが2部屋続きます。
撮影禁止なので写真はありません。



その部屋を抜けると「舞踏の間」。舞踏会で使われるような部屋に出ます。

このお城ではここを使って結婚式やパーティーを開くことができるとのことです。


「舞踏の間」の逆側。


この写真の左の窓から外は庭園があり、
左のドアには書斎へ、右のドアからは地下室に行けます。
地下室に入ると、ワインを大量に保管している部屋があり、
かなり年代モノのワイン等が展示されています。
地下室の壁の雰囲気がよく、中世の映画でよくある牢獄の雰囲気が感じられます。

その後は喫茶部屋に戻り、約20〜30分位の館内見学コースは終わりです。
説明は丁寧で結構長いので、建物をサクッと観たいという人には向いていないと思います。

話は変わりますが、この城を築いた高丸氏は「サロン文化協会」を運営しています。
簡単に説明すると、一般的な講演会は講演者が一方的に聴衆に向けて情報を発信している形だが、
「サロン」は、偉い人も普通の人も同じ目線で世間話をするかのように交流する、
そうすれば相互理解が容易で自然と教養が得られる、そんな感じです。
その一環として、ここで「サロン」にあたるコンサート等のイベントが行われています。
なので、今回参加したお茶会のようなイベントがあればぜひ参加してください、とのことでした。


とまあ、こんな感じの場所でした。
高丸氏は非常に饒舌で知識も豊富で、話し始めると止まらない感じでしたが、
やはりTV放映も影響もあり来客が多く、
来客があった時点で入れ替わりという感じで、話が自然と切れてしまいました。
高丸氏にじっくりお話を伺いたければ、定休日の火曜日を除く平日に訪問するとよいかもしれません。
そしてイベントのある土日、特にお茶会に参加して2階の茶室を鑑賞できると、
この場所の一番の魅力が体験できると思います。


というわけで非常にオススメスポットでありました。
以上、シャトー ド コーマルをお送りしました。
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