File 177 進来軒

日本におけるスタンダードのラーメン「東京ラーメン」。
すでに無き元祖の店「来々軒」の味を受け継ぐ店が千葉にあるという。
はたしてどのようなところなのか?

進来軒
【所在地】千葉県千葉市稲毛区天台5−6−5
【地図】googleマップ
【HP】ありません。
【交通手段】基本は車かバイクで。千葉モノレール「穴川駅」から徒歩でも一応は可能。

2011/12/17訪問

千葉の地ラーメンといえば3つ。

○竹岡ラーメン
○勝浦式タンタンメン
○アリランラーメン

このHPをご覧になっている方であれば、私がこのHPでレポしていなくても、
どれか1つは食べたことがあるのではないでしょうか。

しかし、今日のレポ物件である「進来軒」のラーメンは、上記のいずれのラーメンでもありません。
ありふれた「東京ラーメン」の店です。


この物件を説明するには、まず「東京ラーメン」について語らなければなるまい。

1910年に尾崎貫一氏が、横浜中華街の中国人を雇い、東京都台東区浅草に「来々軒」を開業。
その店でしょうゆ味のスープに麺、
それにメンマ+チャーシュー+なるとが乗ったものを販売したのが、
「東京ラーメン」のルーツとなっています。
当時の浅草は流行の中心となっていた街であり、
販売された「東京ラーメン」のスタイルは爆発的に全国に広まりました。
しかし、当の「来々軒」は3代目で後継者がいなくなり、1994年に廃業。
日本人の食生活では無くてはならない存在となった「東京ラーメン」の元祖である店が、
世間にほとんど知られないまま、ひっそりと姿を消してしまいました。

しかし。

この来々軒の3代目、尾崎一郎氏のもとで修行していた宮葉進氏が、
「来々軒」閉店後に東京ではなく、千葉県の稲毛区天台に店を構えました。
店の名前は「進来軒」。
3代目尾崎一郎氏の弟子は宮葉進氏しかおらず、
「来々軒」の元祖「東京ラーメン」は、日本全国でもここでしか味わえないものなのです。

100年の時を経て現世に継承された、元祖「東京ラーメン」が食べられる。
初めて知ったのであれば、食通のアナタはワクワクするのではないでしょうか。
結構行くのが難しい店なので、交通案内を中心にレポします。


こちらは千葉都市モノレールの穴川駅。
近くには穴川インターがあり、国道16号でも1、2位を争う渋滞が激しいエリアでもあります。
この穴川駅真下に交差点がありますが、こちらを東方面に曲がります。
ちょっと走るとすぐに信号のある交差点に出ますが、そこを左に曲がります。


しばらく進むと小学校、コンビニの前を通過し、画像のような場所に出ます。
この一方通行の標識が目印で、それに従って左に曲がります。


道幅の狭い、閉まっている店の多い商店街を進んでいきます。


しばらく進むと、「進来軒」の看板が見えてきます。
一応この画像の右側に車3台が停められる駐車場があります。
埋まっていたら、待つか、あきらめましょう。

定休日は月曜日・第3火曜日、
営業時間は11:00〜15:00、17:00〜20:30です。
ちなみに平日に行くと値下げサービスがあります。


入口。
最近やたらと刊行されるラーメン特集雑誌にも掲載されています。
食べた人間じゃないとわからないのですが、写真より実物のほうがはるかに美味そうにみえます。

店に入ると、一見普通の中華料理屋。

人気店なので混んでいるかなと思ったけど、土曜日の昼時でもお客さんは全席の3割ぐらい。
すんなり座れたので、待つのが好きじゃない人にはいいかも。

頼んだのはラーメンギョーザのセット。750円です。


来ました。美味そう!


これが「来々軒」から引き継がれてきた、元祖東京ラーメン。

いただきます。



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マジで美味いな〜これは!


現在はラーメンの種類が多様化しています。
二郎、角ふじ、魚粉つけ麺、横浜家系、焦がし醤油、油そばとバリエーションが豊かになってきています。
味もそれぞれが方向性を持っていますので、比べることは無意味だとは思いますが、
それらはラーメンではないラーメンを食べている感じ。
元祖東京ラーメンを食べて思うは、やはりラーメンはこうあるべきと。

一瞬のよどみもなく、お腹に入ってしまった素晴らしいラーメンの後は、
なんとコーヒーのサービス(日曜日、祝日はありません)。ありがたすぎます。
値段も750円と非常に安く、平日は割引してくれます。
もはや商売というより、100年続く元祖東京ラーメンの味を守るために続けている、
そういった姿勢が垣間見えるのが素晴らしい。

正直千葉都市圏に住んでいて、この店に行っていないのは生涯において大きな損失だと思います。
一度でもよいので、元祖の味を味わうために行ってみるべきだと思いました。

以上、進来軒をお送りしました。
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