File 175 大山祇神社

鴨川の山中にひっそりと存在する神社。
社殿はほぼ崩壊し、廃墟のようになっているが、
訪れる参拝客は後を絶たない。

大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)
【所在地】千葉県鴨川市以下不明
【地図】−
【HP】ありません。
【交通手段】車かバイクで。公共交通はありません。

2011/12/04訪問

一言でも書きましたが、私と同じように千葉県のスポットを探索されているKeiさんが
HPの更新を休止しました。非常に残念です。
そのKeiさんからのメールで、訪問を薦められたのが今回レポする物件です。

物件の名前は「大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)」。

一番の特徴は、建物自体がかなり崩壊していること。
しかし、中に供えられている物は比較的新しく、
参拝する人が途絶えないという、よくわからない場所です。

とりあえず自己責任のおことわり。

この物件は、建物がかなり崩壊しています。
それもいつ崩れるかわからないレベルです。
つまり、あなたがこの物件を訪問したときに崩壊して、
下敷きになってケガしたり、あるいはそのまま死んでしまう可能性もあります。
そういうことになっても、このHPは責任をとりません。
この物件の訪問、参拝によって被害を負っても、自己責任ということでお願いします。

それではレポします。


この物件は、林道ライダーに人気がある「林道天津線」の途中にあります。
鴨川の鯛の浦、誕生寺があるエリアから南下していくと、
道路が分岐して、一方が陸橋を通って館山のほうへ、
もう一方が天津市街地へと続く道があります。

ここを左、天津市街のほうにすすんでいきます。


しばらくすすむと天津神明宮への看板が出てきます。
その天津神明宮のほうに進んでいき、
天津神明宮をスルーして道なりに山のほうに入って行くと、
「林道天津線」に入ることができます。


この林道は全線舗装されており、極端に狭くなっているところも無いので、
4輪でも、2輪のロードタイプのバイクでも走行して問題ないと思います。


林道天津線の説明看板。
注意書きがあるとおり、他の林道と比べて高低差が結構あり、
きついカーブも多くなかなか面白い林道となっていますが、
それはある程度車、バイクをを操れる人にとってのこと。
初心者が飛ばすと事故のもとになりますのでご注意を。


林道天津線を走っていると、
ある一区間だけ、木々が太陽をさえぎらない場所に出てきます。
ここに物件がありますので、左にあるスペースにバイクを停めます。


そして右側にある斜面をのぼっていきます。


すぐに木々に視界を遮られますが、茂みの中になにやら見えてきます。
さらに入っていくと・・・


うぉっ!

2つの狛犬が並ぶ先に、倒壊した建物が見えます。


建物は激しくゆがんでおり、手前には瓦の山ができていました。

その瓦を見ると、つい最近落ちたものではないようです。
つまり、崩壊してから結構な年月が経過しているものと思われます。

建物に入ってみます。



いきなり床が抜けています。
慎重に感触を調べた感じでは一気にドカッといかないようで、
ゆっくり動けば問題なそうな感じでした。あくまでも個人的な感想ですが・・・


建物の中から外を見ると、この建物が構造的に危ういのがよくわかります。
建物の1角を添え木?のようなもので固定しているだけ。
これが失われたら崩壊間違いなしでしょう。


建物内はご覧のとおり、あっちこっちがボロボロになっていますが・・
祭壇のような場所は不思議とそこそこのきれいさを保っています。


建物右側は使うことを想像できない布団、小さめの祭壇があります。
祭壇は例によってボロボロですが、供えられているものはごく最近のものです。


床に無造作に落ちていた看板らしきもの。
左には明治35年とあります。
謎の字が2文字書かれている他はほとんどわからず。
この場所はそこそこ歴史があることを物語っています。

−−−補足−−−
本件でメールをいただきました。
看板らしきものは「奉納額」と呼ばれるもので、
古い漢字で「奉献」と書いてあるのではとのこと。
消えかけている文字は、この神社になんからの供物を捧げた人の名前が、
書かれていたのではとのことです。情報ありがとうございました。


林道側から社殿を撮影。


ここからKeiさんが調べたことを簡単にまとめて引用します。
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この土地の近くにある「滑山(ぬかりやま)」の山岳信仰をベースに、
「滑山教会所」として開社。
その後一度廃れるも「御嶽教滑山大山祇教会」として再興、
関東一円に信者を獲得していたという。
しかし3代目が死去してからは継ぐ人が居なくなり、そのまま廃れたとのこと。

現状ではどうなのかというと、
教祖は30年前にすでに亡くなっていることもあり、廃社の状態。
管理は近くの市街地に住んでいる信者だったおばあちゃんが、
ボケ防止のためにほぼ毎日訪れて手入れをしているとのこと。
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Keiさん、ありがとうございました。

とまあ、こんな感じの物件でした。
山奥にある崩れかけの社殿に、毎日手入れにくるおばあちゃん。
Keiさんが調べた「宗教的な背景」を把握して訪れれば、
見た人にしかわからない「ごく小さな地域でしかわからない文化の形」が伺える物件かなと思います。
廃墟好きよりどちらかというと、寺社好きの方にこそ訪れてほしい物件かなと思いました。

以上、大山祇神社をお送りしました。
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