File 174 京葉臨海鉄道 乗車できない鉄道の旅

千葉の主要産業の1つである工業が盛んな地域「京葉工業地域」。
その工業地帯に原料等を輸送するために1960年代に作られた鉄道。
貨物鉄道のため乗車不可だが、駅は存在するので全駅を巡ってみました。

京葉臨海鉄道
【所在地】蘇我〜袖ヶ浦
【地図】−
【HP】京葉臨海鉄道株式会社のHP
【交通手段】−

2011/11/13訪問

千葉県のローカル線はTV等で取り上げられることが多いと思います。
銚子電鉄、いすみ鉄道、小湊鐵道あたりは雰囲気はもちろん、
東京から近いこともあり、手軽にローカル線の旅が味わえるということで人気を博しています。

他にマイナーな電車といえば、流鉄流山線、久留里線、ユーカリが丘線などがあります。
しかし、そういった鉄道は乗ることが大前提となっているため、
あまり話題にならない鉄道があります。


その鉄道の名前とは、「京葉臨海鉄道」。


京葉臨海鉄道は1962年に京葉工業地域への原料運搬のために発足。
千葉から袖ヶ浦の約20キロを結ぶ線路が敷かれました。
しかし、現在は鉄道よりトラックによる運搬が主流となってきたために、
一部が廃線されたりして規模がだんだん縮小していき、現在に至ります。

今回のレポは京葉臨海鉄道の全駅を回るつもりでしたが、
残念ながらみつからなかったところがあります。
それについては調べて後に補足したいと思います。



この企画で最初に向ったのはここ。蘇我駅です。
旅客列車、つまり普通の電車と貨物列車はここで分岐しています。
ちなみに蘇我駅の先ののぼり方面は、京葉線の線路を使って西船橋までつながっています。


蘇我駅を出て最初の駅は「千葉貨物駅」。
蘇我陸橋を越えて、次の小さい橋付近に看板が見えます。


看板の方向に進んでいくと・・・見えてきました。


京葉臨海鉄道最初の駅、「千葉貨物駅」です。
柵がないので、敷地外でもじっくり見ることができます。


この駅には複数の先頭車両が待機しています。
型名はKD55形、KD60形の2つがあるようです。



この車両はディーゼルエンジンを積んでいるので、軽油で走ります。
なので、線路の脇にガススタンドがあります。
メーターには600と、車は真っ青な量が表示されていました。


千葉貨物駅を出てしばらく走り、「市原埠頭入口」の交差点を右折。
市原警察署の手前の交差点です。
この交差点の海側で線路が分岐しており、1本が市原埠頭に向かっています。
線路がある左側の空間に注視しながら、ひたすらまっすぐな道を走ります。


しかし何もありません。
踏み切りがあるところから線路を観てみると・・・雑草だらけ。
そしてしまいには・・・


草叢の中に電車を止めるアレがありました。

このあたりは「京葉市原駅」と呼ばれるようですが、
駅標も何もありませんでした。残念。

気をとりおなおして本線に戻ります。


線路沿いに走りつづけて、五井の「市役所入口」交差点付近。
この付近のはずなのに駅はまだまだ先なのかと思い、
バイクを引きながら歩道を歩いていると・・・


線路が他と違って複線になっただけの場所に、駅標らしきものが。
みてみると・・・


「浜五井」とあります。

これが2つ目の駅「浜五井駅」ということになります。
荷物どころが人も入れないようなところです。なんのためにある駅なんだろう・・・
ここから海側に分岐している線路は、企業内に引き込まれているので入れませんでした。

次に行きます。



突然海です。

ここは「新鮮市場 マルエイ海づり公園」です。
変な名前の場所ですが、いわゆる「ネーミングライツ」により、
市原海釣り公園の呼称が上記のようになりました。

景色はそこそこですが、釣り自体は有料&投げ釣り禁止なので微妙・・・

この場所へ行く途中に、「玉前(たまさき)駅」があります。


「玉前駅」です。
さきほどの「浜五井駅」と違い、本格的に荷物を取り扱う場所になっています。
関係者立ち入り禁止なので、画像はこれだけになっています。
中に入りたい・・・


ここから先の道路は、走ったことがある人にはご存知のとおり、
まっすぐの道路が木更津近くまで続いています。

この道路に沿って走る線路も、ひたすらまっすぐに続きます。

この途中に甲子(きのえね)駅があるはずなのだが・・・発見できず。



直線の道路をひたすら走り、
牛丼の「すき家」があるあたりの向かいに、三井石油があります。
三井石油の正門手前に道路があり、その道路に沿って走っていくと・・・
線路に沿って建物があります。どうやらここが駅のようです。


近くにあったぼろぼろの駅標には「前川」とあり、ここが前川駅だということを示しています。
しかしさきほどの貨物駅と違い、建物に人は居なさそうで無人と考えてよいでしょう。
というか、この建物に人を待機させるメリットが無いような・・・


道路に戻り、しばらく歩道を歩いて進んでいくと、
垣根の隙間から駅標が見えたのでチェック。

複線になっている以外周囲に何もない、浜五井と同じパターンです。



ボロボロの駅標には「しいづ」とあります。
この付近の交差点には「椎津」とありましたので、椎津駅ということになります。


椎津駅からはまたバイクに乗ってひたすら走り、
白バイがたむろしていることで有名な「北袖インターチェンジ」付近で海側へ。

写真は海側への分岐後のカーブ。
この線路が続く先は・・・・


線路に草。
踏み切り設備も手抜きなあたり、おそらく長年ここは使われていないかと。


終点まで行ってみましたが、やはり雑草だらけ。
左の線路は企業の中に続いていましたが、草だらけで、おそらく使われていないかと。

結局、椎津駅からこの区間の間にあるという「北袖駅」を発見できず。無念。

さきほどの北袖インターチェンジに戻り、線路を追いかけていくと・・・
国道沿いにまっすぐだった線路がついに海側に向っていきます。
終点の予感を感じます。


進んでいくと・・・駅がありました。
線路はここに向っており、この敷地の外には線路が続いていませんでしたので、
ここが終点となります。


駅標には「京葉久保田」とあります。
終点らしかぬ名前に感じます。


この駅手前には積載を待つ「KD60」が停まっていました。
ここも立ち入り禁止なので外から見るだけですが、
蘇我駅からここまで追いかけてきたので思い入れができたためか、
遠目でも「KD60」がカッコよく見えてきました。

とまあ、こんな感じです。

貨物列車のせいなのか時刻等の情報がないため、
走っている姿を撮影できなかったのが心残り。
みつからなかった「甲子駅」、「北袖駅」も近いうちに探してみたいところです。

私はバイク乗りなので、16号の蘇我付近に複数あるバイク用品店によく行くのですが、
その近くを走っている「謎の電車」がどこからどこまで走っているのかがわかり、
もやもやが消えて充実した気持ちになりました。
私は鉄オタではありませんが、
鉄オタならともかく、16号沿いを走っているのを観て気になった方は、
「貨物列車駅」ぐらいは観てみてはいかがでしょうか。
鉄道の「知られざる一面」を観ておくのも面白いと思いますよ。


以上、京葉臨海鉄道をお送りしました。
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