File 173 桜花基地 上総中川編

太平洋戦争終戦間際に開発された、今までの常識を覆した兵器「桜花」。
千葉には「桜花」に関連する施設が点在するという。
はたしてどのようなものなのか?

桜花基地跡
【所在地】千葉県いすみ市行川以下不明
【地図】googleマップ
【HP】ありません。
【交通手段】いすみ鉄道上総中川駅から徒歩10分(藪漕ぎ10分)

2011/11/05訪問

「道の駅 三芳村」近くの桜花滑走路跡に続き、
桜花の基地のほうにも訪問してきました。

場所は上総中川駅の近くの山中。
こちらの詳細はわかりませんが、本土決戦となった場合、
こういった兵器は隠さなければいけないので、隠すような形で基地がつくられたものと考えられます。

「桜花」については、前のレポ File172をご覧ください。

それではレポします。


大多喜市街地から東側に向う、国道465号に入ります。


しばらく走っていくと、上総中川駅があります。
しかしこの駅、道路を走っているだけでもかなり見つけづらいです。

この駅を見つけるのも1つの楽しみだと思いますので、
あえて入口の写真を載せていません。現地で探してみてください。


その上総中川駅の北東側への道路を走っていくと、
中川小学校への入口があります。


小学校への道とお寺への道が一緒になっていますが、かまわず進んでいきます。


小学校もお寺もスルーしてまっすぐ進みます。


すると、ゆるやかなカーブとともに舗装道路が終わります。
もうちょっと進みます。


左に畑、右に中川小学校の校舎があり、
手前に垣根がある森が見えます。
通行の邪魔にならないところにバイクを停めます。

三芳と同じく農作業をしている方がいらしたので、
「桜花の基地」についてたずねたところ、方角を教えてもらい、
立ち入りの許可もいただきました。


森に入ります。
最初のほうは余裕ですが・・・


進んでいくと結構な藪漕ぎになります。
晩秋〜冬の訪問でないと、ヒルとか蜂とか蚊とかで大変なことになりそうです。


しばらく進むと、突如出現。
左の地面に円形の遺構、右に巨大な洞窟があります。


地面の円形はターンテーブルと思われます。
桜花を洞窟から出した跡、滑走路へターンするためのもののようです。
ちなみに農作業していたおじいちゃんに伺ったところ、
ここから中川小学校の校舎のある方向にむかって長い滑走路があったそうです。


そして巨大な洞窟。
断面からして人間が掘って作られたのは間違いないでしょう。


入口のすぐ横に、鳥居のような形をした溝があります。
格納庫の入口ですからシャッター的なものが存在していてもおかしくはないですね。
でもおそらく当時は物資不足なので、木の板のようなものを重ねた、
スノコ的な感じだとは思いますが。


洞窟内部。フラッシュ撮影しています。
床に2つのレールがあったかのような段差があり、
桜花を隠すための洞窟だったという雰囲気を残しています。

隠すようなところだけあって実際は真っ暗なので、
訪問時は懐中電灯が必要かなと思います。

ちなみにこの場所の存在についてですが、
上総中川駅周辺に住んでいる人にとっては常識のようです。
実際、場所がわからず、道行く人4人に聞いてみましたが、
一番知らない人でも「詳しくわからないけど学校の裏山にあることは知っている」というレベルでした。
こういう地元の人がよく知っていることが、
書物やインターネットで情報としてあまり残っていない。不思議なものです。


藪漕ぎが必要な場所だけあってふらっと訪れるのは難しいとは思いますが、
前のレポの三芳村の物件を訪れ、さらには桜花の背景を知ってから行けば、
ターンテーブルや洞窟はそれだけの価値があると思います。
興味がありましたら、訪れてみてはいかがでしょうか。損はしないと思います。

以上、桜花基地 上総中川編をお送りしました。
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