File 170 観福寺

香取大神宮の近くにある、立地の悪いお寺。
実は日本三大○○に挙げられるお寺だという。
はたしてどのようなところなのか?


観福寺
【所在地】千葉県香取市牧野1752
【地図】googleマップ
【HP】ありません。
【交通手段】JR佐原駅から徒歩25分、車かバイクで。



2011/10/10訪問

日本の中の3つの優れたものを挙げるときに、
日本三大○○なんて言葉を使います。

日本三大随筆なら、枕草子、方丈記、徒然草。
日本三景なら、天橋立、松島、安芸の宮島。
日本三大珍味なら、うに、からすみ、このわた。


では、これはどうでしょうか。

「日本厄除三大師」を挙げてみましょうか。


1.川崎大師。

これはかなり有名ですね。

2.西新井大師。

こちらも有名ですね。

で、最後の1つは何処でしょうか?

3.観福寺。

そう、今回のレポのお寺です。
確か「佐野厄除け大師」なんてのがあったはずなのですが、
「日本厄除三大師」にエントリーされていないようです。
クレオパトラ、楊貴妃に続いて、
小野小町がエントリーされているのと同じように、違和感を感じざるを得ません。
何でまたこんなお寺が?ということで訪問してみました。


北総で有名な寺社といえば、香取神宮。これは揺るぎません。
神社じゃなくてお寺ということなら、成田山が挙がります。
北総のこの2つの寺社以外はこの2つに知名度を吸い取られている感が否めません。

物件は香取神宮から香取市街地に向って走り、
最初の信号を左に曲がり、突き当たりも左に曲がってしばらく進むとあります。

この周辺は道路が細いため、いくら立派な看板を立てても突然出てくる感じです。
おそらく訪問が初めてなら、気がついたら通りすぎてしまうかもしれません。


駐車場にバイクを停めると、駐車場正面にこんな看板が立っています。
前述の「日本厄除三大師」の1つということをアピールしています。


山門。
周囲の森の雰囲気と相まって良いオーラが出ています。


山門をくぐると立派な階段があり、登っていきます。

なんか霊的な赤いものが写ってますが・・・。


参道を歩いていくと、広い空間が見えてきました。


庭木が手入れされた整然とした境内に出てきました。
うーん美しい。


そしてこちらが本堂。

川崎大師や成田山で実施している「護摩祈祷」はこの本堂で行われるようですが、
今日はその日ではなく、閑散としています。


境内案内を観てみる。
いろいろありますが、右上を観てみると・・・
「伊能忠敬の墓」とあります。佐原香取の英雄ですね。
とりあえず観ていきます。


地図の示す方向に向っていくと案内板が見えてきました。


どうやらこの先のどれかが伊能忠敬の墓のようです。

超常識ですが、念のために伊能忠敬の功績を簡潔に。
日本の国土がどういう形をしているかを、正確に地図で証明した人です。
当時の測量技術は精度が悪かったので、独自の発想で精度をあげていき、
今の地図と精度を比べると0.1%しか違わないものを作りあげました。
その技術と発想から、後世の研究者から歴史に名を刻む天才として評価されているわけです。


階段をあがっていきます。
画像ではわかりませんが、
この階段で行けるエリア全てが「伊能」という名前になっています。
伊能家専用エリアといった感じです。



これが「伊能忠敬の墓」のようです。
シンプルなお墓です。
ここに眠るのが江戸時代に日本全国を駆け巡った、
佐原香取の英雄だと思うと胸が熱くなります。


だが、ちょっと待ってほしい。

ちょっと調べただけですが、
上野駅から北東、徒歩15分ぐらいの場所にある「浅草源空寺」にも、
「伊能忠敬の墓」が存在するらしい。
2箇所にある理由がわかりませんので、今度上野に行ったときに寄ってみたいと思います。


こんな感じの場所でした。
こうして回ってみただけでは「日本厄除三大師」に入っている理由がわかりませんでした。
視覚的なものではなく、お寺の由来からそうなっているのかもしれませんが、
行って見た限りは雰囲気は良いが、それ以上のものがないお寺で、
伊能忠敬のお墓があるという点を除いては普通の参拝に終わってしまいました。

冒頭の話に戻ってしまいますが、北総の寺社を参拝するのであれば、
このお寺の参拝より、香取神宮か成田山の参拝をお勧めします。
香取神宮、成田山をすでに参拝していてかつ、千葉フリークであって、
思ったより大したことなくても動じない心があれば、訪問してはいかがでしょうか。

以上、観福寺をお送りしました。


2011/10/22 補足

雨でバイクに乗れなかったので、「浅草源空寺」を観てきました。


上野駅から北東のエリア、上野小学校付近。
新しいランドマーク、スカイツリーを背景に、
下町の雰囲気を残す街並みが続いています。


しばらく歩いていくと、塀に囲まれた墓地が見えてきます。


墓地の入口。

「源空寺墓地」「史跡墓地」とあり、右には「史跡伊能忠敬墓」とあります。


物件は入口すぐのところにありました。

こちらが伊能忠敬の墓だそうです。



「東河伊能先生之墓」でよいのかな?

説明板には香取にもう1つお墓があるような記述はなく、
お寺も夕方のため閉まっており、詳しくはわからずじまいでした。

当HPに寄せられたメールの情報によりますと、
観福寺は一族の菩提寺で、伊能忠敬の遺髪と爪が埋葬されているそうです。
よって、残りの「部位」はここに埋葬されていると判断してよさそうです。

ということで、2つ存在するお墓を両方訪問することができました。
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