File 169 空港第2ビル駅への連絡口

1991年以前は「成田空港駅」だった、「東成田駅」。
同駅内に、隣の駅まで行ける長い地下道があるという。
はたしてどのようなものなのか?


東成田駅
【所在地】千葉県成田市古込字込前124
【地図】googleマップ
【HP】ありません。
【交通手段】京成電鉄もしくはバイクで。車は隣の芝山千代田駅なら駐車場があります。



2011/10/10訪問

現在、成田空港に行くときに行く駅といえば、
当たり前のように「成田空港駅」になります。

実は1991年以前、今とは違う場所に「成田空港駅」が存在しました。
そこが今どうなっているかというと、「東成田駅」という駅になっています。

もともと京成本線の終点は現在の東成田駅でしたが、
当時計画されていた「成田新幹線」の用地確保のため、
この東成田駅より利便性がよい場所に線路が作れませんでした。
しかし、その計画はほどなく頓挫したため、
京成電鉄が「成田新幹線計画地」にそのまま線路を敷き、
現在の京成本線の成田空港駅となったわけです。

結果、もともとあった「成田空港駅」は「東成田駅」となり、
現在の成田空港駅と比べると周辺の不便さもあいまって乗降客数も激減、
一部の空港従業員しか利用しない過疎駅となりました。

そんな東成田駅の中に、視覚的に面白い通路があるという情報をキャッチ、
本日訪問してきました。


バイクで空港内の道路を走り抜けて到着。
バイクは停められますが、自動車は微妙。
隣の駅「芝山千代田駅」には300円で電車利用者向けに駐車場がありますので、
この駅を訪問したければ、そこに停めて電車で来たほうがよいかと思います。


駅舎の入口。
なんとなく昔成田空港駅だった、という雰囲気が残っています。


駅の中には検問用の看板が残っていました。
おそらく1991年以前に使われてから、そのまま置かれているものと思われます。


ホームのある地下へ降りる階段に、この先検問がありますとのお知らせ。
看板の日付は平成3年。もう20年前ということになります。


階段を下りていきます。
マイケルジャクソンのPV「BAD」に出てきそうな雰囲気すらあります。


こんな感じ。人気がほとんどありません。駅員さんはいますが。

今回は入場券を買ってホームまで降りていませんが、
昔は複数あったホームは現在1つしか使われておらず、他のホームは閉鎖されています。
その閉鎖されているホームは今のホームから見えるのですが、
「成田空港駅」の看板が設置されていたりと、昔の名残を残しています。


そして今回の物件の前に立つ。

看板には「空港第2ビル駅への連絡口」とあります。


入口すぐ右には全体地図があります。
巨大なL字型で、距離は500m。
そして右下に・・・


なぜか英語のみで7分かかると。日本語が無いのはなぜ?


早速歩いてみます。

自分の足音だけがこだまする・・・


ひたすら同じ景色が奥まで続いています。

道中には数mごとに監視カメラが設置されています。

この通路を使っている人はほとんど居ないようで、
壁の広告枠は、ほとんどがからっぽです。

入っているものもありましたが、だいぶ昔の広告なのか色あせていていました。


7分ぐらい同じ景色の中を歩いて到着。
看板には空港第2ビル駅と書いてあります。


改札が見えます。この写真の右側には検問所があり、そこから空港内に入れます。

現在は成田空港駅が存在し、その手前の成田駅で分岐して東成田駅があるわけで、
飛行機に乗る人が、この東成田駅で降りて、この長い通路を歩いて、
ここから空港に来る必要性は全くありません。
一応地上は警備が厳しく、徒歩での往来はなかなか難しいので、
仮に乗り換えしようと考えている人にとっては、必要ではあるのだが・・・


※※※※ 2011/10/14補足 ※※※※

成田空港で実際に働いている方からメールをいただきました。
東成田駅は「貨物地区」の入口が近く、働いている方がよく利用するそうです。
ところが東成田駅に停車する「芝山千代田駅行き」の電車は本数が少なく、
急いでいるのに電車がない時もあります。
その場合に本数の多い成田空港行きの電車に乗って空港第2ビル駅で下車、
東成田駅まで徒歩で移動して、成田空港に入るそうです。
また仕事が終わった後、ふだんは成田空港2ビルを使っている人が、
座って帰りたい場合にこの通路を使って、座れる東成田駅に行く人もいるそうです。



バイクを置いてきているので、もちろん引き返します。

ここで久々の動画掲載です。
帰路をそこそこ早足で移動しながら撮影してみました。
BGMなんぞ凝ったものは入れておりませんので、同じ景色と足音と息遣いが続くだけです。
それでもよろしければどうぞ。
空港第2ビル駅→東成田駅 移動動画(WMV 10MB)

あら不思議!動画を見ると行きたくなってきたでしょ?
チャレンジャーはぜひ行ってみてください。
空港ミステリーツアー的な感じで東峰神社と併せて訪問してみてはいかがでしょうか?

以上、空港第2ビル駅への連絡口をお送りしました。
2018/05/20訪問

東成田駅というか、旧成田空港駅が開業して40年目のこの日。
こんなイベントが開催されました。



現在は閉鎖されている、旧スカイライナー用ホームが解放されるとのこと。
それならば行くしかない!と思って当日に向かいましたが、
途中で見かけた岡田徹絵画館等に寄っているうちに11時台に・・・

まあ、まだ大丈夫だろうと思って東成田駅に突撃すると・・・
大丈夫でなさそうな雰囲気でした。



要は1000枚限定の記念ポストカードを持っていなければ入れなかったのですが、
それをもう配り終えてしまったと。

救済措置として、切符か入場券を買えば入れると。
ポストカードがもらえなかったのは残念だが、全くみれないよりはマシ。
とりあえず一安心。



140円の入場券を求めて大行列。
2台しかない券売機がフル稼働。



無事に入手したので突撃。



いつもは閉まっていると思われる「旧成田空港駅」への扉。
ここをくぐると過去へトリップできます。



ドアをくぐると、照明がほとんどついていない空間へ。



今の京成グループでは全くなじみを感じない、
オレンジ色の看板。



ホームへの階段を降ります。
途中のブリックの看板がレトロで良いですな〜。


そして遂にホームへ!



旧成田空港駅のホームです。
説明するまでもないと思いますが、ここは東成田駅です。

プレミアムなイベントとあって、見物客でいっぱいです。



ここがもともと成田空港駅だった証。

当時の乗降客はここで降りてから、バスで成田空港まで向かったそうだ。
それを考えると今は各段に便利になったものです。



意外なのは、スカイライナーの本数は当時とあまり変わっていないこと。
当時からすでに完成されていたダイヤということなのでしょうか。



スカイライナーの上にマジックで補足の書き足し。
いろんな意味でおおからな時代でした。



東武スペーシアの広告も古いです。



今はもう使われていない、
ここが終着駅となるスカイライナー専用の線路。
それでも線路はきれいです。鉄道マンはきれい好きでないと務まらない。



左側にちょっと見えるが現役の東成田駅のホーム。
こうして旧成田空港駅のホームに立てるとは貴重な経験をさせていただきました。
京成電鉄様、ありがとうございました。
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