File 168 昆陽神社

江戸時代における大飢饉対策の作物として、
サツマイモを広く伝えた学者、青木昆陽を祭る神社。
はたしてどのようなところなのか?


昆陽神社
【所在地】千葉市花見川区幕張町4−594−2
【地図】googleマップ
【HP】ありません。
【交通手段】京成千葉線京成幕張駅からすぐ。電車で行くとかなり楽です。



2011/10/02訪問

本日は曇天。
バイクで出動すると何か起きるかもしれなかったので、久々に電車で回ってみることにしました。
目的地は昆陽神社。

日本における「昆陽」という単語は、まぎれもなく1人の人物を指す言葉ではないかと。
その人物は「青木昆陽」。
京成幕張駅の駅前が「青木昆陽ゆかりの地」となっていますが、
昆陽神社は周辺の道路工事のために、一時的に別の場所に移されていました。
それが2006年ごろの工事完了とともに、現在の地に戻されたわけです。
実は工事が終わったあとでは初めての訪問になります。


京成千葉線の京成幕張駅で下車。
駅標の字がかすれているのが良い雰囲気をだしています。


ホームと駅舎の間は、踏み切りで渡る感じになっています。


駅から出るとロータリーがありますが、見たまんまの規模です。
そしてロータリーの先に、神社の屋根らしきものが見えます。


駐輪禁止にもかかわらず、
大量に停められた自転車の間から神社に入ります。


鳥居の額には昆陽神社とあります。
しかし、鳥居をくぐって周囲を見回すと、違和感を感じる。
石畳の参道がなく、一面が砂利で敷き詰められています。


2つの神社に続く参道は、左側にあるもう1つの鳥居から続いているようで、
駅前からの入口からは続いていません。


こちらの鳥居を見ると、額には秋葉神社とあります。
なんなんだこれ?


すぐ隣の掲示板を見ると、疑問はすぐ氷解。

元々秋葉神社がここにありました。

秋葉神社の敷地内に昆陽神社ができました。

道路工事のために2社ともに近くの神社に一時退避

工事が終わったので戻してこんな感じ。

だそうだ。
戻したのは平成18年、2006年のことだったようです。

にしても境内のバランスが悪すぎるな・・・。
何か作る構想があって、やむを得ずこんな配置になっているのかもしれませんが、
木の1つや2つぐらい植えてもよいのに。




こちらが秋葉神社。
昆陽神社より微妙に大きいです。


中に祀られていたもの。


こちらが昆陽神社。
秋葉神社より微妙に小さいです。

ていうかそれぐらいしか違いがわからん。


中に祀られていたもの。

こちらの神社で青木昆陽は「芋神さま」として祀られています。


違うアングルから敷地全体を。

もともとこの空いている箇所は道路になっていて、
道路の先には、渋滞の原因となっていた踏切がありました。
それがどうなったかというと・・・


この神社の敷地の下に、京成千葉線の線路をくぐるような地下道が作られ、
踏切がなくなったわけです。

地下道の名前は「幕張昆陽地下道」だそうだ。
この地下道を作るために、一時的に別の場所に移動していたわけです。

しかしねえ。
移動して戻したときに、何か神社にとって大切なものを失ったような気がするのだが。
この神社、ほとんどの神社が持っている特有の雰囲気が全くない印象を受けました。
境内や拝殿が新しいせいもあるかもしれませんが、周囲の環境も大きく影響しているような。


この神社の向かいの敷地にある史跡もついでに観て行きます。


「青木昆陽甘藷試作地」とあります。
甘藷はサツマイモですね。

青木昆陽は千葉県の数ヶ所でサツマイモ栽培のテストをしたところ、
この地で成功をおさめて広がり、
それが江戸時代の人々が飢饉をしのいでこれたわけです。


門の上からズームして撮影。
残念ながら入口の門は閉められており、敷地の中に入ることはできませんでした。


とまあ、こんな感じの場所です。
歴史の教科書に100%出てくる、超有名な青木昆陽ですが、
祀られている神社が地下道のためにあっちこっちに移されたあげく、
緑が無い、寂しい敷地に建っている現状は、ほとんどの人には知られていないと思います。
せっかく駅から近い場所にあるわけですし、もうちょっとお金をかけて、
神社周辺に相応しい雰囲気を築いていってほしいかなと思いました。


以上、昆陽神社をお送りしました。
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