File 167 大内かっぱハウス

元銚子市長の大内氏が銚子駅北部に位置する建物に、
地元につたわる「河童伝説」にちなんでグッズを収集しているという。
はたしてどのようなところなのか?


大内かっぱハウス
【所在地】千葉県銚子市中央町6−25
【地図】googleマップ
【HP】ありません。
【交通手段】銚子駅から徒歩でいけます。



2011/09/23訪問

このHPに数々のネタをご提供いただいている、銚子在住ジモティーな方から物件メールが。

銚子駅北部に「大内かっぱハウス」なる物件があり、
その周辺には町おこしと称して、河童のオブジェがあっちこっちに存在するそうだ。
ただし、当の「大内かっぱハウス」は閉館中とのこと。
銚子は犬吠崎を始めとした有名どころしか回らないようなツーリングばかりしていたので、
こういうものを観てみるのも新しい銚子の楽しみ方になるかなと思い、訪問してみました。


物件は銚子駅北側の海沿い。
本通公園北という交差点周辺に物件が点在しています。
まずはこの交差点から東に行ったところにあるものから観ていきます。


上の交差点から100mぐらいの場所に、こんな案内板があります。
案内板は当然公共の物ですから、
「1人のかっぱコレクターが役所に働きかけて町おこしを進めた」という事実があるわけです。
そこまでできる大内氏はかなりの大物なのでしょうか。
(※後で知りましたが、大内氏は元銚子市長です。)


その案内板が指し示す場所。
公園になっており、その先には漁港が見えます。


反対側から。
観てのとおり、規模としてはかなり小さいのがわかります。
単に漁港の一部分を公園のようにして景観を良くした、
そんな感じで本来の公園としてはあまり使われていないように感じます。


その公園の一角には、河童母子像があります。
なんでもその昔、「大新海岸」に母子の河童が住んでいたそうです。
これが作られたのは平成7年。
銚子における「河童」を題材にした町興しがスタートした年と判断してもよいかと思います。


なんだかとってもシュールです・・・


さて、本日の物件のほうに行ってみます。
冒頭の交差点からすぐのところにあります。


建物には「大内かっぱハウス」とあります。


建物の外にはかっぱ的な置物が置かれています。


そして入口には「しばらくの間休館致します。」と。
ネットでいろいろ調べてみたところ、2004年頃には既に閉館していたらしい。
つまり今年で閉館8年目位になるのですが、見てのとおり建物はきれいにされており、
突然再開してもおかしくないように見えますが、果たして・・・


ドアに穴が空いていたので覗いてみたら河童に「大内」と描かれた絵がみえました。
うーん。どんなものが置いてあるか気になります。


博物館から道路をはさんで向かいの路地に、
博物館の主である、大内氏の自宅らしき建物があります。
何の変哲もないように見えますが・・・


柵が途中がカットされており、像が設置されています。


こちらも親子河童。
一応この一帯の中では最もかわいい河童・・・だと思う。


大内氏邸宅の庭のほうを覗いてみると、やはり河童像が。
どんだけ河童好きなんだ・・・。


この大内氏邸宅から道沿いに歩いていくと、旅館が見えてきます。
旅館の名前は「大新」。
そう、公園の河童母子像のプレートに書いてあった、
「大新海岸」の地名にちなんでつけられたものだと思われます。


旅館入口にあった石碑には「江戸時代中期創業 大新旅館」とあります。
年代的には当然老舗の部類に入る旅館だと思います。

想像するに、大内家は江戸時代から伝わる老舗旅館の営業をメインとした、
この周辺の土地を持っている実業家であると。

その土地を利用して公園や博物館を建てて「河童」による町興しを行い、
ついでに河童にまつわる場所である「大新海岸」という単語で旅館の宣伝もできる、
そんな感じで町興しが行われたのでしょうか。

結果としては博物館の閉館、そして銚子=河童のイメージは定着せず。
町興しはかなり失敗した部類ではないかと思います。

ここから300mぐらい東にいくと、
漁師料理屋がたくさんならんでいる場所があります。
そこに昼時に行くと車を停めるのが困難なぐらい並んでいるので、
場所としてはそれほど悪くないわけです。
そう離れていない場所でこのように失敗しているのであれば、
題材やらアプローチ方法に問題があったのかもしれません。

この河童町おこし失敗の遺産は、博物館とともに復活の目を見ることはできるのでしょうか。
こうして目のあたりにすると、復活する日が訪れることを願ってやみません。

以上、大内かっぱハウスをお送りしました。



2018/10/07訪問

今から1年前に、朗報が流れてきました。
大内かっぱハウスが閉館から14年の時を経て、2017年7月22日に復活したとのこと。

ただし、今回の復活の際、館長を務めたのは、大内さんではなく、
銚子が好きでしょうがなく移住してきた、ミュージシャンの相馬圭二さん。
現在では銚子観光大使も務めてらっしゃるようです。

銚子を訪れる機会があったので、ようやく復活した本物件を訪問することができましたので、レポします。



以前の訪問以降、何度もこの建物の前の道路を通って、入口が開いていないか眺めていたことか。
今は開館日なら必ず空いている。こんな日が訪れるとは思っていなかった。



入口に入る、というより、入口の周りをチェックしていただけで、
相馬さんが入口まで出てきて、話しかけてきました。
ミュージシャンだから、というわけではないですが、コミュ力高めの打ち解けやすい方に感じました。
そして館内に足を踏み入れると、目立つところに前館長の大内さんの全身写真がお出迎え。


この建物は3階建てで、1階は大内さんが収集した河童コレクションの、和風作風のものが展示されています。
書画、陶器、小物等・・・



2階にあがると、企画展として、日本の妖怪にまつわる展示が行われています。
大内さんのコレクションではなく、山口敏太郎さんによるもので、
通常の妖怪以外にも、チュパカブラのミイラとかUMA的なものまであります。

正直、河童だけでは飽きると思いますが、
この展示があるがために、飽きないで鑑賞ができると思います。



階段のアプローチまわりもびっしりコレクションが並んでいます。



3階です。
吊り下げられたものや、絵画などが展示されています。



外を眺めると、銚子漁港が一望できます。
そして大量の河童の像が並んでいます。建物の脇にもありますが、
おそらく外においておくと持っていかれそうなものはこちらに並べているのではと思います。

こんな感じでした。正直、外の建物の形から思っていたよりは広かったのでビックリしました。
コレクション自体は確かに河童が多いですが、それプラス妖怪のコレクション、
人当たりのよい相馬さん、それらがそろってなかなか良いスポットとなっております。
大内さんがそのまま続けていたのなら、このようなファッショナブルな場所にはならなかったのではと思います。



そして相馬さんから教えてもらった、「まずい棒」なるものを買いに、犬吠埼駅へ。

もちろん味がマズイわけではなく、経営がマズイから買っていただけませんか?的なもので、
うまい棒とあまり味は変わりませんでした。
というか、普段うまい棒を食べないので違いがわからないだけかもしれませんが。
ただし、本物のうまい棒は1本10円ですが、こちらは赤字補填が必要なので、そんな値段で売るはずもなく・・・
ジョークグッズ的なものになってしまうとは思いますが、お土産にするとウケがいいかもしれません。

というわけで、新たな銚子の新スポットとなった「大内かっぱハウス」。これからも続けてほしいところです。
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