2011/05/05訪問
この日の数日前に「tiitaro」さんからメールをいただきました。
内容は三里塚記念公園内にあった防空壕が一般公開されているとのこと。
以前公園を回っていた限りでは防空壕の類は無かったはずなのですが、
それもそのはず、つい最近に公開されたばかりとのことでした。早速訪問してみました。
成田空港直近の街、三里塚にある大きな公園、三里塚記念公園。
以前の訪問時はfile 066でレポいたしましたが、
1ヶ月前から防空壕の公開を行っているとのことです。
防空壕の公開に伴い、案内板もリニューアル。
その防空壕は昭和16年12月に完成、
つい先月公開とのこと。
昭和16年ってことは1941年なので、
2011年−1941年=70年となり、
なんと70年前の建造物となります。
園内マップによると、貴賓館の奥にある模様。
ここのマロニエ並木は美しい。
成田在住の外人パイロットの家族がこういうところを歩くとサマになるんだろうなあ。
実は防空壕の場所へ直行したのですが、
建物には「三里塚御料牧場記念館」の館員に連絡してください、という案内があったので、
記念館に向かい、館員の案内を受けながら移動します。
貴賓館です。
File 066にこの地域がどういうところなのか触れていますが、
要は日本の皇室、もしくは外国からの要人が滞在する施設です。
そういう場所ということもあり、今回訪問する防空壕が存在したわけですね。
館員の案内で貴賓館の裏のほうに案内されます。
柵の向こうに出来たばかりの建屋が見えます。
ここが防空壕見学入口。
鍵がかかっていて、防犯カメラがあっちこっちにあります。
もちろん当時は入口にこんな建物はなく、
何かで隠すように存在していたようです。
建屋から地下に続く道。オラ、なんだかわくわくしてきたぞ!
防空壕の説明。
ポイントとしては・・
○名称は「御文庫」
○この防空壕の存在自体は歴史書にすら公にされていない。
現在も研究中で詳しいことはわかっていない。
○太平洋戦争開戦に伴い、1ヶ月という突貫工事で完成させたらしい。
○もともとは皇室全員の退避用に作られたが、
皇居吹上御所にも防空壕が出来たため、こちらは皇室用に使われなかった。
○現在における30階の建物用の「スーパーコンクリート」と同じ強度を持っている。
こんな感じです。
館山のあっちこっちにある、穴を掘っただけの防空壕とはレベルが違うものだということです。
案内人に導かれ、階段を降りていきます。
なにげに天井のアーチが美しい。
入口にあったスイッチボックス。
当時そのままなので、味があります。
下部のプレートには昭和16年とありました。
通路の右に巨大な扉が見えました。
奥にも続いているように見えるのですが・・・
奥のほうに続いていると思った道は「爆風逃し換気口」とのこと。
爆弾が近くに落ちても、扉に爆風が直撃しないでここから流れていく構造になっているわけです。
前室といわれる空間の前にある、70年前の扉。
扉の奥に見えるコンクリ壁もかなり厚いことがわかります。
そして主室の前にある扉。こちらは前室の扉より薄いですが、
それでも十分な厚さのようにみえます。
防空壕の中心、主室。だいたい3〜4畳ぐらいの空間です。
ここで空襲の飛行機が通り過ぎるまで待つわけです。
写真の奥にもさきほどと同じように前室があり、
地上からは2つある入口どちらから入っても、
扉を2つ挟んで主室までアクセスすることになります。
もう1つある前室を抜けると、さきほどと同じ入口が。
1個入口が潰されても、もう1つで出れるようにという発想があるからだそうです。
階段を登って地上へ。
というか、ここの防空壕の照明は結構明るいので、
暗闇の世界という感じがしないです。閉所恐怖症でも安心?
外の建屋の隣にある蓋が、例の爆風逃がしの穴につながっています。
ちょっと地面が盛り上がっている感じがありますが、
建屋が無ければ、立派な防空壕がある場所とは思えないですね。
案内していただいた館員さんと世間話をしていたところ、
この館員さん、防空壕案内のために1ヶ月前から勤務しているそうだ。
専用スタッフを用意して向かえたGWなのに、私しか観覧者が居なさそうな感じがなんとも・・・
もうちょっと宣伝して、多くの人が訪れてほしいスポットかなと思いました。
こんな場所でした。
写真からもわかるとおり皇室専用なオーラがでており、
館山の穴堀り防空壕とはレベルが違います。
月曜日定休ですが、観覧は無料、並ぶことも無いし、かなりオススメスポットでした。
以上、御文庫をお送りしました。
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