File 139 千葉眼科記念館

茂原にある「永吉の眼科」は寛政六年(1794年)に開業した、超のつく老舗眼科。
現在の建物の隣には、昔診療に使われていた建物をそのまま使った博物館があるという。
はたしてどのような場所なのか?


永吉の眼科
【所在地】千葉県茂原市上永吉732
【地図】googleマップ
【HP】ありません。
【交通手段】JR茂原駅から車で15分ぐらい、「ひめはるの里」の近く。公共交通は使いにくいです。


2010/11/13訪問


千葉のほぼ中央にあたる茂原市は戦時中空軍を中心とした軍都として栄え、
「掩体壕」などの戦跡が数多く残されているのは皆様ご存知だとは思います。

その茂原の街が栄えたのは戦時中からではなく、
平安時代の774年に荘園として整備が始まって以降、
現在まで絶えることなく開発が続いており、歴史的に息の長い街なのです。

今回の物件「永吉の眼科」は全国で6番目に古い病院となっており、
寛政六年(1794年)に開業、今年で216年目になります。
その病院は街からはずれたところにありますが、
それにもかかわらず茂原の街から足を運ぶ人は多く、知名度は高いようです。

そんな216年の歴史を持つ眼科の建物が現在でも残されており、
一般公開されているとの情報を聞きつけ、訪問してみることにしました。



茂原の中心街から南下し「ひめはるの里」方面に向かうと、
途中で車が多く停まっている場所があります。
彼らはここにある「永吉の眼科」のお客様です。



こちらが「永吉の眼科」です。
中に入ってみましたが、普通の病院と同じような感じでした。
院内の張り紙に「ウチの病院を名乗ってメガネを押し売りする人がいるけど騙されないで」
みたいな注意がありました。地元での病院の知名度が高いことを物語っています。



病院の端のほうに、古めの雰囲気がある入口があります。
その右には・・・。


「房総の魅力500選」プレートがありました。
この先にある建物は明治25年〜昭和59年の93年間、
診療に使われていたそうです。
そして博物館になっている旨が書かれています。


入口から進んでいくと、特徴的な建物が見えてきました。



その建物の入口には「千葉眼科記念館」とあります。



周囲を見てみる。
入口右はミニカーと日本の資産家の象徴である蔵が見えます。


さらに右を見るとものすごい豪邸があり、
門には「薬草研究所」と書いてありました。
眼科診療をするかたわら、薬草の研究もして財を築いた、そんな感じです。


で、この「千葉眼科記念館」に入れてもらえるように、
さきほどの病院の受付からこの記念館の中を見たい旨を伝えると・・。


現在、一般公開はしていないそうです。
事前予約での公開などもしていないようで、
病院も忙しいことから見学に回せるスタッフがおらず、
現状では中を見せることはできないようです。

日を改めてというような方法で中を見ることができないというのは残念。

病院から件の建物に戻り、とりあえず窓から中を撮ってみました。


入口すぐの窓から。ショーケースに器具が展示されており、
天井近くには複数の賞状が見えます。


北側の窓から。
眼科器具、患者さんが使うスリッパが見えます。
ダンボールその他内部の状況からすると、
展示できるようにいろいろ整理するも見学客が少なくて、
展示物の整理をする気力がなくなった、そんな感じにも見受けられます。




西側の窓から。
いい雰囲気の格子と、ショーケースが見えます。
210年の歴史が感じられる何かが保管されているんでしょうね。
その他の窓はカーテンがかかっており、見ることはできませんでした。

こんな感じの場所でした。
内部が公開されていない点が残念ですが、
歴史のある建物を、敷地に入って普通に見学できるのは良いと思いました。


実はこの物件の隣にある「ひめはるの里」は2年前に赤字のため、
指定管理業者が撤退して休園していました。
そして昨年「ニチイグリーンファーム」がひめはるの里の土地を借り受けることが決まり、
来年4月に再オープンすることが決まっています。

「ひめはるの里」が再オープンしてこの周辺の観光客が増えれば、
このスポットの知名度があがり、内部の見学ができるようにすることも考えるのではないかと思いました。
とりあえずは「ひめはるの里」の再オープン後、ここにもう1回見学できないか聞いてみたいと思います。

以上、千葉眼科記念館をお送りしました。
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