File 138 房総わだつみ美術館

九十九里浜の終わりにある岬町。
その岬町の静かな場所にある美術館。
展示されている作品は全て1人の作家の手によるものだという。
はたしてどのような場所なのか?


房総わだつみ美術館
【所在地】千葉県いすみ市岬町江場土2761
【地図】googleマップ
【HP】ありません。
【交通手段】JR外房線長者町駅から徒歩15分程度。


2010/11/07訪問

この日の目的の1つとして、玉前神社にて販売しているという、
「チーバくんの元気守」を手に入れるために、一宮に来ていました。



結果、無事に入手できたわけですが、この後の行き先を決めていませんでした。
そこで今回の物件「房総わだつみ美術館」が近くにあったことを思い出して、
訪問してみることにしました。

九十九里方面から国道128号を南下していき、太東灯台の交差点を過ぎて、
目的地周辺に来ても、これといった看板はありません。
・・・と思ったら右側歩道脇にちっちゃい看板を発見。
先にあった電気店でターンして戻り、路地に入ります。



路地に入ると看板が。
美術館、そして美咲鉄道とあります。
「美咲鉄道」は初耳。そんなものあるのかな?



ちょっと進むと大きな看板と踏み切りがありました。
そしてコンクリと芝生が敷かれた敷地は細い線路が敷かれています。
おそらくこの線路が「美咲鉄道」なんですね。


そしてそこの建物。
「房総わだつみ美術館」とあります。
早速入ってみます。
中は撮影禁止なので画像はありません。


館内に入るとカウンターがあり、
そこには70歳後半ぐらいのおばあちゃんがおられました。
とりあえずは作品を観てみたいということを申し出て、入館料300円を払います。

館内は結構広く、大小の油絵が等間隔で並んでいます。
それの数はかなり多く、おそらく80いくか行かないかぐらいはあります。
これらの作品を描いたのは鈴木吉郎という方で、2003年に亡くなっているそうです。
さきほど応対していただいたのは、奥様の礼子さんとのことです。

とりあえずは作品を見ていこうとすると・・・おばあちゃんがついてくる。
そして作品を1つ1つ説明してくれます。

・・・というか作品を見ているとおばあちゃんがつぎの絵に歩いていくので、
それにあわせて歩いてその絵のお話を聞く感じ。完全におばあちゃんペース。



ここに展示されている絵を描いた「鈴木吉郎」氏ですが、
小学校の時点で賞を獲得するぐらい将来有望でしたが、戦争の悲劇を経験。
その後は岬町を創作の場にして、2003年になくなるまでに絵を描き続けたそうです。

絵の題材は「大原、岬町の風景」で、
画風は戦争の体験から得た「平和を感じる絵」みたいな感じでした。
大原の海や田園風景等の「田舎暮らし」で感じられる素朴な平和を絵にした、そんな感じです。

私が全ての絵を見終わったあと、お客さんがもう1人来ていました。
八千代から田舎暮らしをするために岬町まで引越ししたという方でした。
その方と案内してくれた館長と3人でお話していたら閉館時間がきてしまったので、
御礼を申し上げて退館。


外に出て線路を見てみる。線路の続く先を見てみたところ、
電車と思われるものが閉まってある箱が。
館長によると、人が乗れるSLで、イベントをやるときは動かすので、
イベントのときに来てみてください、とのことでした。


とまあ、こんな感じの場所でした。
このテの美術館って無愛想な人が受付をしていて、
静かに館内を回るというパターンが多いわけですが、逆でした。
おばあちゃんつきっきりで説明してくれることを考えると、
入館料300円というのは安いと思います。今後も続けてほしいなと思いました。

絵のほうも、賞を何十個も受賞している画家が描いているものですから、
もちろん良い絵ばかりで、風景画が好きなら
普通に美術館としてオススメな、よいスポットだと思いました。

以上、房総わだつみ美術館をお送りしました。
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