2010/10/23訪問
数回にわたり銚子の物件の情報をいただいている、銚子ジモティーな方から、
先日興味深い情報をいただきました。
なんでも日本のお寺に、アメリカ人芸術家が装飾を施した珍しいところがあるそうだ。
周辺に調査が必要な物件があることもあり、それのついでに訪問してきました。
今回の物件、寶満寺(ほうまんじ)は、高校野球で有名な銚子商業高等学校の近くにあります。
この銚子商業出身のプロ野球選手は、巨人の篠塚和典、中日ドラゴンズの宇野勝が有名です。
なんでも高校前にある急な坂を登って鍛えることで有名だそうです。
周辺は道の狭い住宅街になっており迷いやすいですが、看板がみつかればそこからは簡単に進めます。
入口の石碑が見えてきました。さらに進みます。
進むと公民館のような建物が見えてきます。
どうやらこの建物がお寺のようです。
入口すぐ左に受付があり、そこにここのお寺の住職がいらっしゃいました。
物件のお話をすると、この先にあるので自由にみてくださいとのこと。
ちなみにここの中の装飾は障子が使われていたり、書画の掛け軸がかけられているので、
中に入ってみれば普通のお寺のように感じるかもしれません。
周辺にあるお墓は、霊園のように並んでいるわけではなく、
自然と土地の形状にあわせてちりばめるように配置されており、とても雰囲気が良いです。
ちょっと進むと、日本というよりはタイやインドのイメージが思いつくような、
あまり見ない形をした建物が見えてきました。これが本堂のようです。
正面から。
ソテツがこの建物の南国チックな雰囲気を演出しています。
早速入ってみます。
入ってみると、ある程度の格式のお寺なら見ることができる、金色の仏壇があります。
なんの変哲もないところと思いきや、天井を見上げてみると・・・。
天井の格子のサイズに合わせて、いろいろなデザインの絵が貼られています。
しばらく眺めていると、いろいろな色を使っているわりに刺激が少なく、
心が落ち着く良いデザインだなあ、と感じました。
この天井画の詳細ですが、
米国の女流現代美術作家ジェニファー・バートレット(Jennifer Bartlett)さんの描いた、
合計321枚の絵からなる天井画で、1992年11月に完成したそうです。
Google画像検索で同氏が書いたと思われる絵画を見ると、
格子状の線を入れて、それぞれのマスに絵を描いていくというスタイルのようです。
日本のお寺の天井の形状が、この作家のデザインスタイルと完全に一致していたわけですね。
参考:Google画像検索 Jennifer Bartlett
こんな感じの場所でした。
お寺自体は「銚子大空襲」で焼けてしまって立て直したそうで、
歴史のあるものはあまり残っていないようです。
その焼失物の中に「銚子」という地名の由来が書かれた書物があったといわれており、
寺社の歴史としては非常に長いようです。
お寺にとっては致命的な本堂の焼失を乗り越えて、レポのような型破りのお寺を作ってしまうのがすばらしい。
ここは桜の名所ということなので、春に銚子に寄る際はまた訪れてみようかなと思います。
銚子といえば、港町と銚子電鉄というイメージが大半だとは思いますが、
寺社がムダに豪華だったり(例:満願寺)、個人コレクターが多かったり、
あまり目立たないところにお金をかけられた感じの、隠れたスポットがまだまだあるように感じます。
ちなみに現在、みなとまちまちかど博物館というプロジェクトが進行しているようです。
これからの銚子に期待!
以上、寶満寺をお送りしました。
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