2010/07/31訪問
数日前、「銚子カメラ博物館」の情報をいただいた方からメールが届きました。
内容は、屏風ヶ浦にあるという「通蓮洞」なる物件を調べて欲しいとのこと。
私自身、屏風ヶ浦には数回行っていますが、この物件のことは初耳。
たまには荒くれた海を眺めてみたいということもあり、本日調査してきました。
【通蓮洞の伝承】
顔の半分が痣で覆われた延命姫というお姫様がいました。
安倍晴明に惚れ込み、夜に姫のほうから家に忍び込んで、
逆ナンパしてえっちなことをしてしまったわけです。
ところが朝、姫様の顔を見て驚き、安倍晴明は逃げてしまったわけです。
しかし姫様は追いかける。
安倍晴明は逃げて逃げて、到着したのがここ、屏風ヶ浦。
安倍晴明は着ている衣服を脱いで、屏風ヶ浦の絶壁に投げ込み、
自身は隠れました。
姫様は飛び込んで死んでしまったと思い、
自らも身を投げて死んでしまったということです。
ネット上の複数のソースではこんな感じのお話でした。
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まず到着したのは、飯岡漁港。
飯岡漁港の銚子方向に広めの駐車スペースがあり、
その周辺で釣りや水遊びができるようになっています。
早速突入します。
立入禁止の看板。
昔ここは屏風ヶ浦の絶景を眺められる遊歩道になっていましたが、
今は海岸線の後退や、崩落のせいでかなり危険な道になっています。
良い子は入っちゃダメです。
いい感じの景色です。釣り人はアジを釣っていました。
この景色で釣りをするのも悪くはないですね〜。
若干道が荒れてきましたが、まだ進めます。
道が濡れてきて、ひび割れが激しくなってきました。
ちなみに道の上のブツブツは大量のフナムシです。
さらに進むと・・・
オワタ。コレじゃ観光地としての展開が無理なのも当然。引き返します。
ひとまず刑部岬の展望台にて休憩。
展望台の2階部分にて休もうと思ったら・・・
あれ?今回探している物件関連の情報が!
思いがけないところで超ヒントをいただけました。
このあたり!みたいな表示がありました。
どうやら屏風ヶ浦のちょうど真ん中あたりに河口があり、
そこの近くにあるらしい。
昔の通蓮洞の写真。
当時は遊歩道が無いので、かなり危険な場所のように見えます。
他にもいくつか写真がありましたが、1つの疑問が。
「通蓮洞」って洞窟じゃないの?
伝承が「安倍晴明の隠れた洞窟」ということだから洞窟なのかもしれませんが、
ここにある写真には全て洞窟が映っていません。どういうことなんだろう・・。
とにかく「河口の近くにある」というヒントを得たので、
その周辺から捜索してみます。
刑部岬から銚子までの道で、いったん高度が低くなる場所がありましたので、
そこから海方向へ出てみます。
農道をひたすら走ります。
行き止まりが多いですが、がんばってしらみつぶしに海へ出る道を探します。
すると・・・
こんな道標が。
「県立九十九里自然公園」とあります。
先に進むと、広い駐車スペースがありましたので、
とりあえずバイクを停めて先に進みます。
ビンゴ!
屏風ヶ浦で1箇所だけの、河口のところに出ることができました。
お約束。
当然超えて進みます。
遊歩道を飯岡漁港方向に進んでいきます。
こちらはさきほどの飯岡漁港側からと違い、盛大に波が飛んできます。
ドシャーン!
波をモロにかぶりました。
ここまで来て引き返す理由はない。進みます。
ここの近くの遊歩道は年中波が強いのか、
藻でぬるぬるして危険です。
ここへ行く人は作業靴もしくは長靴を必ず着用してください。
調べた情報が正しければ、このあたりのはずなんだが・・・。
お、おおおおおおおおおおお?
ついに来ました!
ここが「通蓮洞」跡のようです。
屏風ヶ浦の特徴である断崖絶壁に、ぽつんと穴があいています。
昔はこの穴への入口が海岸線ギリギリまでにあったと思われます。
観光客用に何かを示していたと思われる板。
こんなところに来るのは私のような物好きと、釣り人ぐらいなんでしょうね。
普通の観光には向いていないことは間違いないです。
18倍ズームで撮影。
とりあえずはもう少し崩落しても残っていそうな深さです。
現地でいろいろ見てわかったポイントは・・・。
○地元の人の情報通り、昔のような景色は崩落で残っていない。
○遊歩道が危険すぎるので、天候が悪くて波が荒いときは絶対に行かないこと。
○一番歩きやすい遊歩道は、変なところからしか入れない。
○その歩きやすい遊歩道であっても波はかぶる。それなりの格好をして行ってください。
そもそもこの物件を見る以前に、
「東洋のドーバー、屏風ヶ浦の絶景!」なんて旭市が宣伝していますが、
その景色を普通の方法で見ることができないというのが・・・。
でも遊歩道が危険で、怪我、死者が出る可能性を考えると、
旭市は観光を奨励することができないのが痛いところ。難しいものです。
小言のほうに載せていますが、
私的に一番美しいと思うビューポイントはこんな感じです。
この画像が撮れるところに行くのも結構大変です。
何かが起きても自己責任、山登りの危険性と同じようなものだと思って、
多少のリスクを覚悟してこの絶景を楽しんでいただきたいなと思います。
以上、通蓮洞をお送りしました。
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