2010/07/24訪問
反捕鯨団体による妨害工作がニュースになってから、
日本国民の鯨に対する関心が高まりつつあります。
海外の人がほとんど食べていないクジラを、反対されながらも食べる必要があるのか?
クジラという食べ物が身近にない人には、そういう疑問があるのではないかと思います。
昨晩、よくツーリングに行く友人から、
「和田浦にクジラが明日あがる」という連絡があり、行ってみることにしました。
クジラを解体するのを自分の目で見たり、食べたりすれば、
自分の中ではそれに対する答えが見つかるのではないかと。
ということで和田浦に行ってきました。
和田漁港。
漁港の部分は他の漁港と同じく、普通の魚の水揚げがあるようですが、
規模はそれほど大きくはないようです。
そんな漁港の中に、一風変わった建物があります。
ここが「外房捕鯨株式会社」です。
海側から見るとまるで造船所のように、
陸上に物体を引き揚げるような構造になっています。
ここの入口の波止場に、なにやら物体が浮かんでいて、
ギャラリーがしげしげと眺めています。
これが今日の解体の対象になるクジラです。
この外房捕鯨会社による捕鯨枠は1年26頭となっており、
今年20頭目だそうです。
※ここに記述されていた数字は、同時期にここを訪れたKeiさんの情報が正しいと思われますので、
そちらのほうに修正いたしました。ご指摘ありがとうございました。
この日は9:00から解体スタートとなっていましたが、
8:30頃から建物内があわただしくなってきました。
氷の準備。
トラック2台分ぐらいの氷が、切った肉を入れる巨大な桶の中に投入されていきました。
9:00。
クジラについていたワイヤーが建物の中に引き込まれ、引っ張られていきます。
陸にあがりました。デカイの一言。
強力な放水で、全体を洗います。
計測。8mぐらいでしょうか。
いよいよ解体開始。
なぎなたのようなもので、切れ目を入れていきます。
クジラの肉は脂身と赤身の2つがあるわけですが、
最初は脂身の部分を取るようです。
さきほどクジラを引き揚げたワイヤーを、そのまま脂身の塊にひっかけて、
ご覧のとおりに剥がします。大迫力。
巨大な塊。
少しずつ切って、処理していきます。
脂身が取れたら赤身の部分にとりかかります。
こちらもなぎなたとワイヤー牽引で引き込みます。
骨が露になりました。
ていうか、なぎなたとワイヤーしか使っていないのに、
ここまでキレイに肉が取れるのも凄い。
赤身も長方形に加工され、氷の池に落ちていきます。
裏返して残りを取り、大きい作業は終了。
背骨がきれいに残っています。
背骨もカット。
そりゃカットしないと移動もできない大きさですからね・・。
細かいところを処理。
なんだかんだで、1時間半ぐらい経過でほとんどの肉が処理されました。
氷の池から赤身が引き揚げられ、
料理を作っているところへ優先的に配布された後、一般客へ販売。
販売の相場は、100gが300円〜450円の間のようです。
この肉のブロックはだいたいが3kgぐらいあります。
なので、1ブロックで1万円ぐらいになります。
港で買ってその値段だから、末端ではかなり高額になるんでしょうね。
また、骨から少しずつとった「ハギ肉」は安価で買えるようですが、
人気があるようで、すぐなくなるとのこと。
この後、クジラの肉が食べられる店に行く予定でしたが、
解体を見終わったあとは食欲がなくなっていました。
理由は・・・上の写真を全部みているのであればわかると思います。
こんな感じの場所でした。
日本全国を見ても、クジラの解体を見ることができること自体がかなりレアですし、
伝統技術ともいえる手馴れた解体は、匠の技をみているようで飽きませんでした。
グロイという1点を除いては、見ておいて損はしないと思います。
将来、間違いなく日本が標的になる捕鯨問題への関心を高めるという点では、
子連れの家族に一番見に来てほしいかなと思いました。
お金がかからないですし、シーワールドなんぞ行くより、こちらのほうがタメになるかなと思います。
以上、外房捕鯨株式会社をお送りしました。
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