File 114 房総中央鉄道館

房総半島では貴重な、城下町の姿を残す大多喜市街地。
その街の中に個人所有の鉄道グッズを展示している博物館があります。
千葉県でも定番中の定番B級スポット。


房総中央鉄道館
【所在地】千葉県夷隅郡大多喜町久保102
【地図】googleマップ
【HP】大多喜町の観光情報HP
【交通手段】JR大多喜駅から徒歩2分。

2010/05/04訪問

千葉県で古い町並みを観光するとなると、
佐原香取、久留里、そして大多喜の3択になります。
3者の違いはというと、佐原香取は利根川を使って稼いだ商人の街、
後者の大多喜、久留里は城下町になります。

ただし、久留里は大多喜と違い、あっちこっちに現代の建物がありますので、
景観を少々損なっています。

その点大多喜は街全体が古い町並みを保つように取り組んでおり、
結果として城下町のような雰囲気を保っています。
そんな大多喜の街の中に、1つの建物があります。
その建物の名称は「大手会館」1Fには「房総中央鉄道館」があります。



大多喜駅から徒歩2分の場所にある「大手会館」です。
ちなみにこの物件周辺は一方通行の道路が多く、
踏み切りでは一時停止の取り締まりをしています。
くれぐれも切符をもらわないように気をつけてください。

この物件の2階部分は学習塾になっています。
実はこの物件に受験シーズンの真っ最中の2月に訪問したことがありますが、お休みでした。
また、土日祝日のみの営業となっていますので、
受験シーズンを避けた土日祝日に訪問するようにしたほうがいいかもしれません。


入口前ではなぜか、フイギュア、おもちゃの類を安く売っています。
さしたるものは無いので、入ってみます。
入館料は200円です。


入ると2つの鉄道ジオラマが広がっていて、壁には駅名のプレートがずらりと並んでいます。
鉄道ジオラマはいわゆるNゲージという規格となっています。
このテのジオラマは、線路の片方がプラス、片方がマイナスになっていて、
規格に合った小さい電車を載せると、レバーで速度を調整することができるそうだ。

そういう仕組みのため、小さなお子様に触らせるとショートして壊れる可能性があるので、
知識の無い一般の方の使用は禁止されています。
というか、同じ趣味をもった知り合いの人のみ許可、というのが正確かもしれません。


入口左側には鉄道グッズが並んでおり、それらを買うことができます。
お値段はというと、計器類や看板等の1点ものは高いですが、
複数枚あるプレートは1000円程度で買えます。
私は鉄オタではないので、価値の観点からは何もいえませんが・・。
使えそうなのは「手ブレーキ使用中」というプレート。
バイクに貼ればいいアクセサリになるかも。

その奥にはフィギュアや模型などが置かれています。
どうやら館長がいろいろ集めるなかで鉄道のコレクションが、
博物館にできるぐらい点数が多かったためここを作った、という感じのようです。
ここに並べているのはコレクションのごく一部で、その何十倍はあるみたいです。


さらに奥に行くと、まっとうな鉄道関連コレクションが並んでいます。
今はなき鉄道のグッズ等が陳列されており、貴重なものかと思われます。
残念ながら価値がわからないので、こんな感じのコメントで・・。

とまあ、こんな感じです。
この博物館は「鉄道」を見に来たのであれば相当面食らうと思いますが、
B級スポットとわかって訪問すると、味わい深い物件であることは間違いないと思います。
ここの館長はひょうひょうとした人で、何かのコレクション、趣味に関して、
非常に情熱を注いでおり、お話してみると面白い人だと思いました。
鉄道をよく知っている人であれば、話が盛り上がることは間違いなし。鉄オタなら超オススメだと思います。


実はこのレポで一番書きたいことはここからです。


この物件は私が週末、バイクでよく走りに行っている高滝から近いため、
行こうとおもえばすぐ行けるところでした。
なので、ネタ切れになったときに、ここに行けばいいかなと思っていたのですが・・。

千葉県内陸部を走る1つの鉄道が重大な局面を迎えています。
この大多喜の住民、そして観光客が利用している「いすみ鉄道」です。
地元ですから、当然この博物館にも数多くのグッズが展示されています。

この鉄道ですが、何十年も赤字続きだったため、
2008年〜2009年の2年間で業績が改善されなければ、廃止する方向で話が進んでいます。
2009年度の決算が終わり、廃止か存続か検討するのが今月末の予定になっています。

当然いすみ鉄道は何もしないわけにはいかず、
「ムーミン」とのコラボレーション企画、「い鉄揚げ」などのみやげ品の販売、
きわめつけは700万円払えば運転手になれるという企画。
結果4人が採用となり、2800万円を得たことになります。

700万円払うのに何のメリットがあるかということなんですが、
いすみ鉄道は電気で動く電車ではなく「気動車」、つまりディーゼル車なのです。
よって、普通の電車を動かす免許と違う免許「甲種内燃車運転免許」が必要になります。
取得できる場所は非常に少ないので、それを取得するための費用が700万円、
というふうに考えてよいかもしれません。鉄道マニアにとっては安いのかもしれません。

廃止と存続の瀬戸際で、奇抜な企画を打ち出して成果を挙げているわけですが、
全てはこの5月末に決まります。
私としては利用者ではないですが、当然、続いて欲しいと思っています。

千葉の美しい内陸の風景を走る鉄道は、
房総半島には絶対必要なものの1つだと信じております。

以上、房総中央鉄道館をお送りしました。
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