File 094 砲台山ハイランド跡

東京湾を横断するフェリーの港、金谷の街を見下ろす砲台山。
山中には1960年代にあったという、レジャーランド跡があるという。
はたしてどのような場所なのか?

※2010年2月下旬にぼや騒ぎがあり、入口が閉鎖されています。

砲台山ハイランド跡
【所在地】千葉県富津市金谷以下不明
【地図】googleマップ
【HP】なし
【交通手段】バイクでどうぞ。徒歩は辛いです。

2009/12/26訪問

早いもので残り1週間で2010年となります。
去年、同じ時期にスペシャル企画としてT秘境をお送りしましたが、
今回もそれにのっとって、県内ではトップレベルの廃墟、
砲台山ハイランド跡を訪問してきました。


今回の物件の注意ですが、大規模な廃墟のため、捜索には危険が伴います。
特に身体の防衛には気を配ってください。
廃墟なので、くぎ、ガラス片、木片などの鋭利なものを踏んで負傷しないように注意してください。
昔の廃墟の場合、そういった破片によって負傷した場合、破傷風になる恐れがありますので、
その場合はすぐに医師にかかってください。
また、崩落した破片などには接近しないようにしてください。
昔の建物にはアスベストが使われている可能性がありますので、
吸引してしまうと肺気腫になるおそれがあります。

対策としては、ワークマン等で3000円程度購入できる作業靴は必須です。
さらに軍手、ヘルメット、(私はバイクのグローブとヘルメットをそのままかぶって探索しました)
長袖の服、ズボンを着用してください。

また、夏場ですと、ヒル、蛇、ハチその他野生生物に攻撃される可能性があります。
私がこういった場所を冬に訪問するのは、それらの生物が活動を休止するためです。

なお、このHPを参考に訪問して怪我などを負った場合、当HPは責任を負いません。
あくまでも自己責任でお願いします。


砲台山ハイランドという名前の通り、
本物件は金谷港の近くにある「砲台山」という山にあります。
この写真の場所は、右に曲がると富津金谷インター入口になり、
直進すると500mぐらいでフェリー港に行くことができます。
そして背景の山。これが砲台山です。
当然廃墟になっておりますので、そのまま見ても何もみえません。
富津金谷インター入口方面に向かいます。


トンネルが見えてきますが、その手前左側にわき道があることがわかります。
そのわき道に入ります。


そのわき道は林道、「金谷元名線」になります。
入口は車でもいけそうに見えますが、かなり荒れた道なので、
車でつっこむのは絶対にやめてください。
多少の荒れ道でも走れるバイクや自転車、徒歩等でお願いします。


この道をしばらく進むと、大きい左カーブの右に、森の中への道があります。

当時の砲台山ハイランドは入場料が無料でしたが、
頂上までのリフトに乗るために、お金がかかるようになっていました。
そのため、お金をかけずに頂上まで行きたい人は、
この道を歩いていったと考えられます。

ここから荒れた道が続きますので、
オフロードを走る技術に自信がなければ、バイク、自転車はここで止めて、
徒歩で進んだほうが無難です。


岩肌が見える道を歩いていきます。



冬でもこの藪。夏だと大変なのは間違いないです。


大きく右へカーブ。
この先に砲台山ハイランド跡があります。

せっかくなので物件の位置関係がわかるように、マップを作成してみました。
あくまでもだいたいのマップなので、距離関係は正確ではないのでご注意ください。


マップの一番右下が、前の写真のカーブのところです。


ここに来ると一番最初につきあたるのが婦人専用トイレ。
先にあるトイレで捌ききれないので増設したんでしょうね。


今から40〜50年前の字になわるけです。よく残っています。


中には便器が4つ。汲み取り式です。


そのトイレの向かいにある、何かの小屋。
ネットがはがれているので、何かを小動物を飼っていたと思われます。


しかし中は板だらけ。小動物が生きていたという痕跡すら見当たりません。

先に進みますと、砲台山の売りである、
旧日本軍のトーチカ跡が見えてきました。


全体としては小高い丘のようになっているのですが、かなり大きく、
全体を写真に収めるのが難しいです。
とりあえずトーチカ跡を1周してみます。
こちらはマップで言うと、入口A。


入口B。こちらは入口が階段になっています。


入口C。周辺は池になっており、ここだけ軒下があり、
左右から入るようになっています。


入口D。
ここは棒がたくさんかかっていて入りにくいです。


とりあえず入口Bから探索。奥には入口Dが見えます。
入口Aから、入口Cも見えます。つまり十字型になっています。

すぐ右手には小部屋がありますが、真っ暗です。


懐中電灯はもってきていないので、
暗闇に慣れた後、部屋の位置関係を把握して、
フラッシュで撮影してみます。
これが部屋の中です。
看板にはおそらく「あまざけ」と書かれています。


写真を見てわかるとおり、陶器の茶碗、酒ビンが散乱しています。
破片に注意してください。


トーチカ跡の頂上には、
やはり何かを飼っていたと思われる小屋みたいなものがありました。
こちらも崩壊していて、何を飼っていたかは判別できませんでした。


マップの左側に行ってみます。
こちらは男女トイレ。
こちらも暗いのでどうなっているかさっぱりわかりませんでした。

そして向かいにあるのは・・・。


売店のような建物。
砲台山ではトーチカ跡に次いで、2番目に大きい建造物のようです。



厨房のような場所もありましたので、
今でも遊園地にある、飲み物、アイス、フランクフルトを売っている
売店のようなイメージが想像できます。
中央の支柱が壊れたら、一気に崩れてしまいそうです。


売店からさらに進むとバーベキュー場がありました。
バーベキュー用のブロック垣は結構多く、
おそらく10個ぐらいはあると思われます。
砲台山ハイランドに入るためにはリフトに乗るか、徒歩で山道を登るかなので、
バーベキューの材料を持ち込むのは難しかったと思われます。
つまり、食材は全て売店で買う必要があったのかもしれません。


他の建造物が自然と同化しようとしている中、
鮮やかな色彩を放つトーテムポール。


そして池があったと思われる場所。
トーチカの入口Cの脇にあたるわけですが、トーチカへの道との明確な境界線がなく、
現役時代はどこまで水を張っていたのかが想像できません。


池の壁に描かれていた魚の絵。
雨ざらしなのに、よくここまでの色が残っているものです。


リフトの発着場。
小屋が完全に倒壊しており、中を覗くこと自体が困難です。


小屋から延びているケーブルは奇跡的に切れておらず、
鉄塔から鉄塔まで伝っています。


倒壊した小屋から、リフトの動力源と思われるエンジンの類が見えます。



発着場のすぐ隣には、展望台の役目をしていたと思われる高台があります。
しかし、目の前は木々で覆われて、景色を堪能することはできません。


18倍ズームを使って木々の隙間から撮った景色。
このマリーナは一番最初の写真の右手にあります。
マリーナが当時あったかはわかりませんが、
金谷の海がひろがっている絶景が眺められたと想像できます。


次はマップ右側の小道を歩いてみます。


藪漕ぎ状態です。
一応道だったと思われる痕跡は見えますので、
逸れて迷わないように注意しながら進みます。

こういう道を歩く場合は、そのへんに落ちている木の棒を持って、
左右に振るようにして藪を切りながら歩いてください。
危険察知にもなりますし、気休め程度ですが、ヘビ避けにもなります。

しばらく歩くと、鉄製の枠が見えてきました。
よくみると、フレームで「砲」「台」「山」と描かれていることがわかります。



反転して、字を構成していると思われるフレームに色を塗ってみました。



ゆがんでいるのは下から見上げるように撮影したため台形になっていることと、
フレーム自体が曲がっているからだと思われますが、
なんとなく雰囲気がわかると思います。


砲台山の看板からさらに藪漕ぎを続けると、
さきほどのリフト発着場から続いていると思われる場所に出ました。
この場所周辺には鉄柵があり、
下から人が乗って登ってくるのを見ることができたと思われます。

この付近には洗面台等がころがっていたので、
さきほどの道はおそらくハイキングコースになっていて、
このリフトが見える場所周辺は休憩場になっていたと思われます。
(※トーチカのある場所から、ここまではかなり距離があります。)

リフトに沿って、下へ降りる道があったかどうかはわかりませんが、
この場所から先に進む道らしきものは見当たりませんでしたので、引き返します。


マップ左下方面を捜索してみます。
売店近くから倒壊した小屋を上から眺められますが、
近寄る道は、すでに道が道の形を成してないので、藪漕ぎになります。
奥にある小屋は倒壊しており、手前は小動物を飼っていた小屋ではないかと思います。


その小屋から下に進んでいくと、あやめ?菖蒲?が規則正しく並んでいました。
人の手でここに植えられたものが、そのままに残っていたと思われます。
ここを見たときは、人工的に並んでいるように見えたので、
誰か住んでいるんじゃないかと思ってビックリしました・・。


倒壊した小屋。もはや建物の形を成しておらず、自然と同化しています。


以上が今回の捜索の成果になります。
藪漕ぎに時間がかかったこともありますが、休憩時間を除くと計4時間の捜索でした。

なぜトーチカ以外にあっちこっち歩いていたのかと言いますと、
この山のどこかに、そこそこ大きい「偽大砲」があるそうなのです。
しかし、今回の捜索ではみつかりませんでした。
再度この山を訪問して、偽大砲をみつけてきたいと思います。

2009/12/30再訪問

無念の撤退からわずか4日後ですが、再捜索してみました。
今回の再挑戦のための情報として、用意したのは某インターネット地図のコピー。
上のほうに砲台山ハイランドMAPを作成したわけですが、
それと地図を比較、怪しいところをたどってみることにしました。


木が倒れていますが、道が続いています。
幸いにも軽い木だったので、どけて先にすすみます。


すると、急に空間が広がり、やや広めの道が続いています。
お、これはもしや?


突然、森の中から人工物の石垣のようなものが見えてきました。
間違いない、ここです。


でたぁあああああああ!!!!

これが伝説の大砲です。

右のほうに比較用にバイクのヘルメットをおきましたが、
それと比べても、相当大きいことがわかると思います。


この大砲は可動する部品がありません。
ぱっと見、大砲であるということがすぐにわかりますので、
レジャーランドに置くオブジェとしては問題ないということでしょうか。


横から。

大砲の発射角度を変えるためのハンドルがありますが、当然動きません。
それにしても良くできています。


発射口前から。
この砲台周辺は写真を撮るスペースが少なく、
撮影アングルが限られてしまいます。
この写真はカメラを高く掲げてヤマ勘で撮ったものです。

これだけのものが森の中に埋もれているとは・・漢のロマンですね。


発射口の下にはプレートがありました。
作成日は昭和42年5月。
当たり前ですが、このレジャーランドが現役だった
1960年代の製作ということになりますね。

とまあ、無事に目的であった大砲をを発見することができました。
場所は、山に疎い私でも2回目で発見できましたし、
破壊を防ぐ意味も考慮して、公表しません。
本当に見たいのであれば、自分で探してみてください。



以上、砲台山ハイランド跡をお送りいたしました。
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