File 093 光福禅寺

市原市に存在した佐是城の跡地に、
戦国時代の武将を開祖とするお寺があるという。
他の寺とは一線を画する、参拝者を呼び込む工夫が面白い。


光福禅寺
【所在地】千葉県市原市佐是1097
【地図】googleマップ
【HP】光福禅寺のHP
【交通手段】牛久駅からタクシーで。基本は車かバイクでどうぞ。

2009/12/20訪問

本日は冬の寒さながらも、空が真っ青の好天。
私がバイクで走るときによく利用する、高滝ダム公園駐車場に本日も向かったわけですが、
そこからそう遠くない場所に、地元でも有名なお寺があるとのこと。
売りは「羅漢の森」ということだが、そのほかにも城の跡だとかいろいろと楽しめるそうだ。
早速訪問してみました。


千葉市都市圏から内陸方面に向かう道路、国道297号を走り、
道路に沿って走る小湊線の、馬立駅と牛久駅の間あたりにこんな看板が見えます。
看板にしたがって、小湊線の踏み切りを渡ります。


森の中を案内通りに走っていくと、到着しました。


しかし、お寺の象徴である山門らしきものは見えず、
「オープンガーデン」と書かれた看板が見えます。
とりあえず駐車場にバイクをとめて、中に入ります。


お寺の案内。

お寺なのに、「野外コンサート広場」が目立ちます。
ひとまずは時計回りで回ってみるとします。


幸福観音様だそうです。
右のほうに見える看板を見てみると・・・。


愚痴を聞いてくれるそうだ。
今のところ言いたいことは無いが、
結婚とか昇進したりしたらここに書くことは増えるんだろうな・・・。


ちょいと進むと警察犬協会の看板が。


羅漢の森の看板通りに進んでいくと・・。
左手の小屋から、ひっきりなしに犬の吠え声が聞こえてきます。
なんでもやっているんですね。このお寺。


そして社務所に到着。
このお寺にある、寺社の様式で建てられている建物は、
これだけのような気がします。

周辺には気になるお地蔵さんがゴロゴロ。

木魚?カエル?にもたれる小坊主。

小坊主その2。

一葉観音。
台座からするに、幸福観音と同じ作者のようですね。
既製仏像と違い、表情や造りがうまく作られており、
作った人はかなりの名工のような気がします。


羅漢の森に突入します。


なにやら小さいオブジェがあっちこっちに置かれています。
ここが羅漢の森のようです。


羅漢の説明。
自分のをおひとついかがでしょうか?


影で隠れちゃっていますが、森の中心には大仏が鎮座されており、
羅漢のオブジェはそれを取り巻くように置かれています。


小さいオブジェは約20cmぐらいですが、
異様に精度が高いです。1つ1つ見ているだけでも楽しいです。
HP用に写真の質は落としてありますが、
それでも精度の高さは十分に感じられると思います。










もちろん、これらはほんの一部で、現地に行けばもっとたくさんありますので、
興味がありましたらぜひ実物をごらんになってください。

羅漢の森の歩道は円状になっており、1周して入口に戻ってきます。
さきほどの本堂に戻ってきますので、近くの階段を降りてみます。
すると・・・。

ここは昔、「佐是(さぜ)城」というお城が建っていました。
歴史上では、関東武田氏の本城である真里谷城に対する支城となっていたそうで、
関東武田氏の上にいた北条氏と、それに敵対する里見氏の防衛線となっていたようです。
ちなみにこのお寺を建てたのは、甲斐武田氏の家来である「小田切氏」の手によるそうです。

現在、その城は取り壊されていますが、
内堀や参道などの跡は、このお寺の中に当時の姿を残しています。

それの1つがこれ。竹やぶを覗くと絶壁になっていました。
落ちたら軽い怪我じゃすまなさそうです。

内堀跡に沿って歩いていき、墓地をくぐりぬけると、入口付近に戻ってきます。

最後に「野外コンサート広場」に行ってみます。


ここが野外コンサート広場です。
入口には鍵がかかっている箇所がいくつかありますが、
コンサート広場をぐるっと1周してみれば門がない箇所があることがわかります。
そこから普通に入ります。


怪しい像A。


怪しい像B。


怪しい像C。

怪しい像の写真を撮っていると、隣の建物からこのお寺の住職が出てきました。
このお寺をガイドするような形で境内を1周ご一緒していただけました。恐縮です。

この庭は「野外コンサート広場」のほかに「陶陶也の庭」という名前がついており、
陳列されている作品は森掬生先生(故人)が作られたそうです。
ここでは日曜日に陶芸教室もやっているそうです。

ここまでのレポ以外の見所ですが、敷地内は草木が手入れされており、
桜をはじめとしたその季節の花の観賞することができます。
住職が言うには、かなり珍しい椿の品種「黒椿」があるそうで、
1月が見ごろなのでそのときにぜひ来てださい、とのことでした。


また、その野外コンサート広場の中にこんな建物があります。

平成22年4月3日、この建物にてオープンカフェを開店するそうです。
メニューとかはまだわかりませんが、期待したいところです。

実は前方後円墳の写真を撮り忘れたので、
来月にでも再訪問して、黒椿と一緒に撮影してきます。


こんな感じの場所です。
レポが結構長くなっていますが、
それだけ普通の寺社と違い、見所が多い場所だと思います。
最近は「萌え絵」を使って参拝者を集めていたりするお寺もあったりするわけですが、
ここは節度をわきまえた上で、この地の持つ文化と芸術をうまく境内にちりばめて、
絶妙な「寺社テーマパーク」として成立させています。
正直言って、オススメのスポットです。
桜、梅、椿の花が咲く季節に訪問して、美しい境内を散歩してみてください。

以上、光福禅寺をお送りいたしました。
>>Return