File 092 三島隧道(みしまずいどう)

房総半島の背骨といわれる、国道410号。
山岳地帯は道の改修が幾度も行われており、
結果、道ごと消滅した三島隧道を訪問してみました。


三島隧道
【所在地】千葉県鴨川市横尾以下不明
【地図】googleマップ
【HP】ありません。
【交通手段】車だと道が狭いのでバイク、自転車、徒歩のみで。

2009/12/12訪問

相互リンクさせていただいているHP「K web」のKeiさんから、
本物件の訪問をすすめるメールをいただきました。
あわせていただいた写真から、廃な感じが美しく感じ取れ、
新しく購入したバイクのナラシ運転もかねて、本日訪問してみました。

場所は国道410号の君津市と鴨川市の市境にある、君鴨トンネル周辺。
このトンネルは千葉のトンネルとしてはかなり長く、新しいトンネルです。
このトンネルができるまでは周辺の道は非常に狭く、
現在のような走りやすい道路ではなかったようです。
百聞は一見にしかず。早速レポしてみます。


こちら君津市側の君鴨トンネルから100mぐらい手前の場所。
左の細い道が旧国道410号、右が現在の国道410号になります。
本物件は当然旧国道のほうになりますので、左に進みます。


しばらく走ると鉄の柵とともに、通行止の看板がありました。

私的に通行止と立入禁止は違う意味なので、通れると判断し、
ここにバイクをとめて、鉄柵の左側のスペースから抜けます。
ここを抜けるのは自己責任でお願いします。


今いるところが旧国道410号、右に見えるのが君鴨トンネルの入口です。
どんどん歩いていきます。


前の写真からほんの数分あるいただけで道が荒れてきました。
左手には川が流れていて、境目のアスファルトは落盤しています。
本当にこんなところが国道だったのでしょうか?


荒れた道が続いています。


カーブミラーなのですが、何も映りません。
道路公団がメンテをしていないとこんなになっちゃうんですね。


ものすごい落ち葉です。
前日の雨もあり、非常にすべりやすく、危険です。
そのへんの枝を杖にして、慎重に進みます。


鉄柵から15分ほど経過。空気が変わってきました。
物件はもうすぐのようです。


おお、Keiさんの写真と同じ風景が見えてきました。


鉄板でふさがれたトンネルがあったらしき場所、
そして1台の不動車。

今や房総の重要な道となった「新」410号の裏で、
「旧」410号が寂しく消えていった、
そんなことを非日常な風景で伝えてきてくれます。


左の壁に埋め込まれた石碑。
字は「殉職者碑」。

千葉にはトンネルの名前に「隧道(ずいどう)」とついているものがたくさんあります。
「隧道」を簡単に言うと、手掘りトンネルということです。
機械じゃなく手掘りなわけですから、落盤事故による死者がたくさん出ていました。
このことから「隧道」とよばれるトンネルは心霊スポットになることが多いようです。


自然と同化しそうな車。
奇跡的にどこもガラスが割れていませんが、覗いてみる気になれません。
なんでかって?あったら困る嫌なものを見たくないですから・・・。


トンネルの入口は鉄板でふさがれています。
前日が雨だったため、藪はびしょびしょ。
入口まで接近するのは断念しました。

君津側の入口はこれでひきあげて、
今度は鴨川側の入口に行ってみます。


君鴨トンネルを通過し、ゆるやかなカーブが連続する地帯の途中に、
鴨川側の旧国道410号の入口があります。
写真は左が君鴨トンネル方向、右が旧国道410号へ。


わかりやすい図。
こちら側からのアクセスだと、トンネルまでだいぶ距離があるようです。
しかし。


こちらはなぜか車両通行止めはなし、そのままバイクで走れます。


不自然なガードレール。ガードレールの先は道になっています。
古い道を無理やりブロックしているようです。
ここは右で大丈夫です。


同じような道をしばらく走っていくと、到着。
これが三島隧道の鴨川側入口になります。


むこう側と同じ鉄板で入口が塞がれています。
トンネルの上の長方形のところには、三島隧道と書かれています。


ん?

鉄板を固定するボルトがはずれている箇所があります。
でも人間が入る隙間がありません。
仕方ないのでそこからカメラを突っ込んで撮影してみます。

中は完全に真っ暗のようで、撮影は困難をきわめました。
ピントがあってなかったり、画が曲がっていたり・・。
何回もフラッシュを焚いてチャレンジするも、電池切れで強制終了。


三島隧道の中です。

この写真が一番ピントがあっていて、みやすい画です。
曲がっているのはご容赦ください。

とまあ、こんな感じです。
1年前ほどから「廃道」というカテゴリーが有名になってきているようですが、
たいていの道が初心者お断りの険しい道だったりします。
ですが、今回紹介した道は初心者でも十分楽しめる場所だと思います。
写真の三島隧道の入口周辺の風景が美しいと思った人には、
ぜひ訪問していただきたいと思います。

以上、三島隧道をお送りいたしました。
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