2009/07/18訪問
この物件に触れる前に、三里塚闘争について、少しお話しておきます。
1980年代に成田空港が建設された際、以前紹介したスポット、
三里塚御料牧場の敷地を使って建設されたと書きました。
ところがこの御料牧場だけでは、成田空港の敷地の半分しかまかなえず、
成田空港を完全に機能させるためには、周囲の土地の購入が必要でした。
そこで御料牧場の北側、三里塚地区と東峰地区がその対象になりました。
国は代替地すら用意せず、金にモノを言わせて無理矢理土地を召しとろうとしたわけです。
そこで反発して、三里塚闘争が発生したわけです。
結局成田空港側は、東峰地区の一部土地の買収はあきらめて、
現状のように、空港のなかにぽつんと住宅地があるような異様な構造になっています。
それと併せて、三里塚闘争を戦ってきた人たちの象徴として、この神社が残されています。
このスポットを訪問するときの注意点です。
1.このスポットは、上記のような背景がありますし、立地も空港の真ん中のため、
空港に対する破壊工作等の拠点にされる可能性があります。
そのため機動隊により厳重に警備されています。
冗談であっても、不審な素振りをしないようにしてください。
2.テロにつながるような物品は所持しないでください。
機動隊による所持品検査が行われています。
3.ほぼ確実に、職質をされます。
身分を証明できるもの、たとえば免許証等はかならず携帯してください。
無い場合、職質が長引く可能性があります。
4.過○派というような言葉がありますが、戦っている人たちは、自身は過○派だと思っていません。
当人たちからすると、空港が悪で、土地を守るための正当な戦いなのです。
よって、現地で関係者と思われる人物が居た場合、この言葉で呼んではいけません。
以上を踏まえて訪問をお願いします。
この日は天気が怪しかったので車で訪問。
空港までの道、有名ホテルが並ぶ44号を走り続けます。
長いトンネルをくぐった後にコンビニがありますので、
そこに停めて、歩いていきます。(コンビニで買い物はしてあげましょう)
コンビニに停めないで、直接車で行けばいいって?理由はすぐにわかりますよ。
コンビニすぐの交差点から、長いトンネルのほうではなく、
南側のカーブを描いている陸橋のある方向に進んでいきます。
結構長い。
ここは東峰地区が買収されていれば、「B滑走路」だったはずの土地です。
幾多の陸橋をくぐりぬけると、看板が見えてきました。
東峰神社とあります。
一応車を停めるところがありますので、直接車で行ってもかまいませんが、
警察による、プライバシー皆無の車両検査がおこなわれてしまいます。
車の中を晒したくなければ、冒頭のように歩いていくことをオススメします。
この看板の向かい。
ご覧のとおり、機動隊が待機しています。
入ろうとすると、この写真の右に立っていた人に話しかけられました。
職質キターーー!!!
この場所に来た理由をたずねられ、所持品検査が行われました。
さらに、中にいる人にまた職質されるかもしれないよ、とのこと。
職質は5分ぐらいで終わり、ようやく中に入ります。
白い壁に囲まれた道路。
青い空もあってか、まるで刑務所の中にとじこめられたようです。
しばらく歩いていくとありました。東峰神社です。
こんな感じです。
この神社の周囲は完全に白い壁で囲まれています。
一部の壁は網になっているので、覗いてみると、
さらに奥に壁があり、手前の道路はセコムの人が巡回していました。
警察がこの地をどれだけ重要視しているかがわかるような気がしました。
この神社のバックに飛行機が飛びたつことがあるようで、
飛行機と神社が1枚に写っているような写真を撮ろうとしたのですが、
いつまでたっても飛行機が来ません。あきらめて帰ります。
帰り道を歩いていくと、車が1台向かってきました。
そして2人の男性が降りてきて、ワタシに話かけてきました。
またまた職質キターーー!!!
こんどはさっきより細かい。
ここをたずねた理由、職業、撮影した写真、身分証明等です。
身分証明は免許証を照会するレベルでした。
こちらは10分ぐらいで解放。
身をもってこの地区の警備の厳重さを体験しました。
神社そのものは視覚的にたいしたことはないのですが、
それを囲むフェンス、そして機動隊、警察による職質と、
物件そのものより、その周囲の環境に一見の価値ありと思いました。
三里塚闘争は空港がこの土地をあきらめていないので、まだまだ続くはずです。
日本を代表する空港の影にかくれているこの物件、
職質を受けてでも、多くの人に見ていただきたいと思いました。
以上、東峰神社をお送りいたしました。
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