2009/06/06 訪問
本日は雨模様。
午前中散髪をして、午後に訪問できるスポットを考えたところ、
浦安駅から南へ10分ぐらい歩いたところに、自由に見学できる旧家群があることを思い出し、
本日訪問してきました。
東京メトロ東西線、浦安駅です。
浦安駅は東西南北の方角に逆らって斜めに建っているため、出口の方角がわかりにくくなっています。
迷わないように、地図上で方角を確認したほうが無難です。
物件のある、南の方向に歩いていきます。
川を渡ったあとすぐの通りを右に曲がりますと、
側溝にカラフルな色がついている通りに出ます。
書かれている絵の通り、ここはフラワー通りと名づけられています。
フラワー通りに入ってちょっと歩くだけで到着しました。
ここが「旧宇田川家住宅」になります。
説明。
要約すると、この建物は明治時代の商家として建てられたもので、
作られた年代がはっきりしているものでは浦安市で最も古い建築物になります。
早速入ってみます。
商家ということで、入口すぐにこんな感じのオブジェがあります。
入ると年配の女性ガイドさんが出てきて、応対していただけました。
そのガイドさん、年齢はおそらく70歳前後なのですが、
ものすごい博識で語り口も軽快。その道のプロのような印象を受けました。
そのノリのまま、軽妙なトークで家の中をぐるっと説明していただけました。
写真は許可をもらったのですが、撮るヒマが無かったのでトークというか、この家の重要な機能の要約を箇条書きで。
○浦安は昔、高潮がよく発生する地域だったので、2階に貴重品がすぐ運べるような構造になっている。
○浦安の夏は暑いので、空調に関する工夫が徹底的にされている。
○泥棒から財産を守れるように、外から出入りする方法が工夫されている。
○2Fは刀が振り回せないように天井が低くなっており、さらに重要人物を逃がすための脱出口がある。
(※明治維新の新政府軍、旧幕府軍の戦争が終わっていない時代に作られた建造物です。)
こんな感じです。
プロフェッショナルなガイドさんから手書きで作ったものをコピーしたという、
近辺の地図ガイドをいただけましたので、お礼を申し上げて次の物件に移動します。
旧宇田川家住宅から東へ歩いていくと、すぐに看板がみつかりましたので、
したがって歩いていきます。
しゃれた細道です。
つきあたりを左に曲がると物件がありました。
入口や周辺の道が狭いので、全体的な雰囲気の写真は撮れませんでした。
この住宅は江戸末期に作られた、漁業と農業を営んでいた家ということです。
入口周辺。本当に道が狭いので、撮影アングルの自由度がほとんどありません。
こちらもガイドさんが常駐しており、説明していただけました。
要点を箇条書きで。
○江戸末期の一般的な家としては珍しい「入口」がある。
○高潮対策として2階へ貴重品がすぐに運べるようになっている。
○漁業を営む家には確実にある、神棚と仏壇をかなり大きめに作ってある。
○今から廊下を通って行く、遠めの場所にトイレの部屋がある(当時としては画期的)
こんな感じでしょうか。
案内していただけたガイドさんからリレーみたいに、
次はここに行くと良いよ、と「旧濱野医院」を教えていただけました。
お礼を申し上げて、次の物件に。
川沿いに東方向に歩いていきます。
途中にあった橋の下に、読みにくいですが「頭上注意」と書いてあります。
すぐ近くが海で、船が行き交う浦安らしい看板です。
到着。こちらが旧濱野医院になります。
外見はみての通り、西洋風です。
浦安市における「洋館風建築」の第一号だそうです。
中に入ってみます。
つどいの広場と書いてあるとおり、
入口すぐのところは保育園っぽくなっています。
こちらのガイドさんは、兼保母さんという感じです。
ガイドさんはメガネっ子でした。メガネっ子フェチは行ってみてください(笑)
まずは病院部分に行ってみます。
写真は待合室。小さい町の病院という感じです。
診察室。
浦安市で最初に作られた洋風病院の割に、
現代の小さい病院でよく見る構造になっているということは、
病院建築のフォーマットようなものがこの頃に出来ていたということになりますね。
ややレトロな医薬品。
この病院は1996年まで診療が続けられていたそうです。
劇薬入り金庫。
MEDIC VENOMと書いてあります。試験に出ますよ〜。
診察室から出ると、完全に和風の間取り。
つまり、外見が洋風のみで内部は和室と洋風を混在させたという、
当時としては画期的でかつ、難しい構造になっています。
こちらはまだ文化財認定されておりませんが、いずれ認定されると思われます。
以上、浦安駅から南部にあるしている旧宅3軒を訪問してきました。
駅からかなり離れている浦安市役所のすぐ近くに郷土資料館があるのですが、
そこでも江戸の町並みを再現したという建造物群があります。
ですが、そちらは「生活の跡」が全くありませんし、小さい建物になっています。
今日訪問した3軒は、実際に当時の人が住んでいた家ですから、
昔の家を見たいという欲求を満たすためには、郷土資料館の建物を見るより、
こちらのほうを見ることをオススメします。
こういう建物を市が管理して、街の中に現状で保存している浦安市は
市川市と同様に、現存する文化をに大切にしているなと感じられました。
ガイドの質が高いことからも、市のこの物件の保存、広報関する意気込みが感じられます。
ワタシみたいに市外から訪問してきた人より、浦安市に住んでいる人にこそ見ていただいて、
自分たちの町の誇りにしてほしい物件かなと思いました。
以上、浦安の旧家巡りをお送りいたしました。
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