2009/02/21 訪問
千葉県北東部の観光地といえば、佐原・香取や銚子あたりが思い浮かびますが、
その間に位置する宿場町として小見川が栄えておりました。
その小見川の町を代表する老舗、「谷屋」という呉服店の中に一風変わった美術館があるとのことで、
訪問してみました。
まずは、目的地近くにある善光寺に行ってみます。
写真からわかるとおり、初代 松本幸四郎のお墓があるそうです。
善光寺入口です。すぐ左は神社があるのですが、
双方とも人気がなく、ちょっと怪しいオーラが出ています。
腹切様って何でしょ?
矢印の先には墓石がたくさん並んでいるのでどれかわからず。
腹切様も場所も人が居ないので聞けないし・・・。
帰ってググっても見つからず。なんなんでしょ?
矢印に従って進みます。
ありました。コレです。
意外にも質素です。というか、このテのお墓って基本的に地味なんですよね。
説明。
ていうか、今の松本幸四郎(市川染五郎と松たかこのお父さん)しか知らないから、
読んでもあまり理解できないですけどね・・・。
それでは目的地である、谷屋に向かいます。
谷屋に到着。道路をはさんで駐車場がありますので、そこに停めます。
創業嘉永元年=1848年なので、今年で創業161年となります。
看板とのれんがその歴史を感じさせます。
左手にあるのが、ここのシンボルになっている土蔵です。
入り口脇に「夢紫美術館」とあります。
早速入ります。
入りますと、呉服店の雰囲気で着物、小物等が並んでいます。
その左脇にはなんと!部屋の中に蔵がそのまま直結しています。
いらっしゃいませと声をかけてきましたので、
「この蔵の美術館を拝見させていただけないでしょうか」と申しでると、記名を促されます。
入館は無料で、店員がガイドしていただけるようです。
写真もOKをいただきました。
このブ厚い扉と重厚な雰囲気はさすがに歴史を感じます。
この建物は、1999年に文化財登録されたそうです。意外と最近なんですね。
入ってすぐの展示物。
ここ、夢紫美術館でメインとして扱っている、「貝紫」について説明します。
巻き貝にはパープル腺という、アワビでいうと肝のようなものが、
貝殻の裏側に張り付いているので、それを採って染料として使うと鮮やかな紫色を発色します。
この紫色は「帝王紫」と言われており、昔から高位の人が好んで身につけた色だそうです。
(例:クレオパトラの紫色はこれです。)
貝紫の歴史は古く、吉野ヶ里遺跡(縄文時代)から貝紫の絹織物片が発掘されているそうです。
このパープル腺は1つの巻き貝から取れる量はかなり少なく、
現在でも貝紫を使用したものは高級品として扱われているそうです。
写真中央の額にあるのは、もちろん織物で、絵じゃありません。
きめ細かい縫い目でほとんど紙のようにしか見えません。
グラデーションも鮮やかで、すばらしい作品に仕上がっています。
階段をあがります。特有の角度が怖いです。
広そうにみえますが、この蔵はかなり狭いです。
そもそも蔵は人が住むところじゃないから当たり前かもしれませんが。
蔵の2Fの展示物。こちらは所狭しと作品が並んでいます。
昔の商売に使った道具も並んでいます。
このレジがなかなか面白い。
表示はアルファベットと漢字がまじっていて、
情報の入力が全部スロットルみたいな感じで、ボタンが無いんですよね。イカス。
他の絵も、貝紫だからできる滑らかなグラデーションが
ふんだんに使われており、美しいものがならんでおり、まるで絵の具を塗って作ったかの
ように錯覚してしまいます。これだけのレベルのものはあまり無いと思います。
蔵自体もきれいに手直しされていながらも、昔の状態を再現できており、
なかなか侮れない美術館となっておりました。
蔵を出て、店内を見てみます。
見ての通り、高級呉服屋といった雰囲気です。
ガイドしていただいた店員にお礼を言って、退店。
美術館としては、展示している蔵が小さいから、並べられる作品が少なくなってしまうのは仕方ないのですが、
店内に構えている蔵の扉が、違和感というか、非日常感を感じさせます。こんな景色は他では見れない。
無料ですし、お近くにお寄りの際は訪問してみてはいかがでしょうか?
以上、夢紫美術館をお送りいたしました。
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