File 040 T秘境

千葉の奥地にある、最後の楽園。
一時期は雑誌で公開されて荒らされてしまったが、
沈静化した今、再び長い時を得て太古の森に還ろうとしている。


T秘境
【所在地】申し訳ございませんが非公開とさせていただきます。
【地図】なし
【HP】なし
【交通手段】よく調べないと、この地に踏み入る入口すらみつかりません。


2008/12/27 訪問

今回がたぶん今年最後の更新になると思いますので、
スペシャルとして、伝説のスポットであるT秘境に行ってまいりました。

まず、場所は公開しない理由を。
某オフロード車雑誌がこの場所を紹介したところ、一気に人気スポットとなりました。
しかし、近隣住民が生活用水として使用している水の中を、
バイクや車で走り回ったり、バーベキューをするなどして荒らされてしまい、
警察が出てくるほどの大きな問題となりました。
それ以降、メディアは一切この場所を紹介しなくなりました。

そういう事件がありましたので、すでに場所を知っている方、これから訪れる方は、
安易にここの場所を公開しないようにしていただきたいと思います。

それではレポします。


T秘境への道を探すにあたって、個人的に一番難しいと思ったのは、
県道からこの道に入る個所を見つけること。
道なりに進んでいきます。


あんなとこ曲がってこんなとこ曲がっていくと、こんな道になってきます。


舗装が消え、道が荒れてきます。
一応コンパクトカーなので行けましたが、
これ以上大きなサイズの車は側面がガリガリ削られることを覚悟してください。


というわけでT秘境の入口に到着。
あまりにも特徴的な入口なので、これから秘境に入っていくという演出に一役買っています。
ここで車をとめて、長靴&軍手を装備して徒歩で進みます。

ここのルールですが、ここからは車両は立ち入り禁止です。
ちゃんと車止めるスペースが用意されているんですし。
ここからバイクや車で入っていくような輩を見たら、きちんと注意しましょう。
本当に立ち入り禁止になってしまいますよ。


トンネルをくぐります。


森の中を歩いていきます。


トンネルから3分ぐらいで、水辺につきました。
ここから長靴が威力を発揮します。


歩いていくと、奇妙な形の岩が。
人が歩けるようにくり抜かれているようですが、上にあがる方法がわかりませんでした。
その下の岩肌が水の浸食だけで奇怪な形にえぐられています。自然って不思議ですね。


少し歩いていくと、特徴的な岩がありました。


自然にできたものなのに、なにかの芸術品のように見えます。
単純に美しい。


根が露出している木。
根がこんな状態なのに、蒼い葉を繁らせています。


開けた場所に出ました。
水深は浅くなりましたが、とめどめもなく流れています。


つきあたりに第1の滝。
これはもう芸術品です。コケ、深い穴にたまった石ころが透き通って美しい。
左に人為的につくられた階段のようなものがありますので、のぼります。


例によってツルツル。
長靴なら問題ないと思います。


進んでいきます。
このあたりから水がはっているところは深くなってきますので、
左右の端を進んでいきます。


第2の滝がみえました。
ゆるい滝なので、普通にのぼれます。


滝の途中に渦ができていました。
これが長い時をえて、丸く、深い穴になるんでしょうね。


さらに進んでいきます。
「地獄の黙示録」の終盤を連想させてくれます。


第3の滝がみえました。
手前はかなり深くなっており、
右側から壁づたいに進みます。
やはり人工的な階段がありますので、それをのぼります。


ここまで来れるなら、こんなの余裕でしょう。


のぼり終わると、とうとうやってきました。
T秘境のシンボルである、巨大な滝のような場所です。

この写真では見えませんが、一番上には大きい洞窟が見えます。
コレ、高低差が30mぐらいあるんですよ。


しかも凍っています。
もちろん長靴でもすべる状態です。

でもここまで来た俺が、そんなことであきらめるわけないでしょ。


この滝をのぼっていきます。
右側に先人が架けてくれたロープが垂れていますので、
それを使ってのぼっていきます。

ロープには水が染み込んでいて、
この季節なものですから、氷のように冷たい・・・。


途中で写真撮る余裕なし。
のぼりきった頂上から撮影。
いや〜絶景ですな。

左の根っこが露出している木にロープが結んであります。
こうして見ると頼りなさそうです。
ちょっとばかりウェイトがある人がロープを使ったら、
ロープが木の根っこごと落ちてきそうです。危ない。


滝の頂上の洞窟。
これは千葉県の山岳地帯にはわりとある「川廻し」という手掘りトンネルのようですが、
こんな奥地だとメリットがなさそうに感じるのですが・・・。


トンネルのすぐ近くには、橋げた用(川回し用の水止めかもしれない)の穴が掘られていました。
しかし、どんな橋であったかは今となっては知る方法はない。


この先の川はこんな感じですが、
行ってもなにもなさそうなので戻ります。


さきほどの滝を降ります。
やっぱり怖いわコレ。ロープが切れたら即死ですな。


戻っていく途中に、壁に穴があいているのを発見。
丸太をさして、やはり橋のようなものを作っていたと思われます。


ここにも橋げた用(川回し用の水止めかもしれない)の穴。
こんな山奥に橋をかけて、観光地にでもしようと考えていたのでしょうか。



こんな感じで最後の大きい滝まで、ゆっくり歩いて往復1時間半ぐらいでしょうか。
さすがにあっちこっちで秘境と言われるだけあって、
千葉では普通見たことの無いような自然と触れ合える、最高の場所だと思います。
夏に行くと水遊びができて最高かもしれませんが、
空気が冷たい今の時期に行くのも、良い空気と雰囲気が味わえてよいですよ。


以上、T秘境をお送りいたしました。
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