File 037 吉澤野球博物館

近年、開発が著しい下総中山駅から徒歩で行ける場所にある博物館。
個人コレクションとしては充実した展示物が揃う穴場。


吉澤野球博物館
【所在地】千葉県船橋市本中山1丁目6−10
【地図】googleマップ
【HP】なし
【交通手段】JR下総中山駅から徒歩で6〜8分ぐらい。車やバイクはとめられません。
※月・木・金曜日は休みという変則休館日なので注意。時間は10:30〜16:00まで。

2008/12/07 訪問

この日はバイクが入院中で、最近は南房総のレポばかり続いていたこともあり、
今回は電車で行けるあまり知られていない博物館を回ってみることにしました。
そこで、昔住んでいた船橋から近い、下総中山駅の近くにある博物館に行ってみることにしました。
館内の写真撮影は禁止でしたので、写真はほとんどありません。



下総中山駅北口からに西船橋の方向に歩いていくと、看板が見えました。


ここが吉澤野球博物館になります。

早速入ります。
入口右の部屋で、おばちゃんたちがちょうど昼ご飯中。
皆白衣を着ていたので病院みたいでしたが、とりあえず入りたいことを申し出る。
入場料は500円。写真交渉はしっかりNG。道理でネットに写真が流れて無いわけだ。

この博物館の主である吉澤さんは、船橋の学校の先生で六大学野球の熱狂的なファン。
先生を辞めたあと不動産会社を経営して財を築き、
コレクションをさらに増やしていき、この博物館を作ったということです。

まず1F。
こちらは野球関連のみの展示となっていました。
6割大学野球、4割プロ野球&MLBといった感じでした。
プロ野球の展示物はレベルが高く、
水原茂関係のものが大量にあり、王、長島はもちろん、
イチローや田口選手のものとか、比較的最近のものもありました。
そして、ベーブ・ルースとルー・ゲーリックのバットとかありました。
見たときはマジかい?と疑ってしまった。
あとは川上哲治直筆で「一振一生」(振じゃなくて球だったかも)と書いてある掛け軸がカッコよかった。
うーんマニアにはたまらんだろうなあ。

残りの大学野球の充実ぶりはすごいです。
ぜんぜん名前を知らない大学野球プレイヤーの写真がずらっと並んでいてそれぞれの紹介、
トロフィーとか歴史とか、吉澤さんが実際に入場したときの券がずらっと並んでいます。

大学野球の歴史を追っていくと、なかなか面白い。中でもボーク事件等が興味深い。
けん制で3塁になげるふり→1塁に投げるという今では普通の動作が、
当時の大学野球の試合中にボーク判定されて3塁ランナーがホームイン、
当時は大学野球はプロと同じぐらい人気があったそうで事件の波紋は大きく、
試合後に審判4人全員が辞職という事件があったそうです。
それの審判の証言テープとか展示されています。なんでそんなもの持っているんだろう。
あとは昔の野球雑誌が大量に本棚に刺さっていたりとか。

大学野球に関する資料では日本トップとの肩書きでしたが、
その肩書きは間違っていないと思いました。個人収集なのがさらにスゴイ。

次は2Fにあがります。こちらは美術館となっています。
企画展示なので館長保有ではなく、レンタル展示物の可能性もありますが、
はっきり言って知らない人が居ないぐらい有名すぎるものが多かったです。
この日置いてあったものを書いていきます。

西行法師の製本(山家集を書いた人)
徳川家康の書状
徳川秀忠の書状
徳川家光の書状
徳川慶喜の書状
徳川光圀(水戸光圀)の書状
近衛信尹の書状(寛永の三筆の1人)
松花堂昭乗の書状(寛永の三筆の1人)
本阿弥光悦の書状(寛永の三筆の1人)
勝海舟の書状
西郷隆盛の書状
福沢諭吉の書状
永井荷風の書状
ルノワールの絵画
北大路魯山人の陶器
酒井田柿右衛門の陶器

ラインナップがスゴイ。
野球で言うと1番から9番まで3割30本100打点です。

でもね。美術館ていうのはこういう有名なものばかりを置いても面白くないんです。
野球のように4番バッターは1〜3人でよく、残りの7人はその美術館の味(方向性)がわかる
展示物で彩るのが上品でよいかと思うのですが。
でも「知らない人の作品か見ネーヨ。」という人は、
ここに並んでいるものだけで十分楽しめるのではないかと思います。

総括すると、
野球博物館のところはマジで全国でも上位レベルではないかと思いました。
東京ドームの野球博物館を比較すると、展示物の貴重さという点では良い勝負だと思います。
子供が楽しめるアトラクションがある分だけ、東京ドームのほうが勝っているぐらいだと思います。
仕事から帰って、野球中継を見ながらビールを飲んでいる、典型的な野球オヤジなら十分に楽しめると思います。
2Fの美術館は「なんでも鑑定団」を見ている人にとっては有名な「ホンモノ」が見れるので、
近くにお住まいでしたら、こちらを見るだけでも十分にオススメできると思います。

以上、吉澤野球博物館をお送りしました。
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