File 015 北総ドラゴンの旅

北総には昔から伝わる龍伝説がある。干ばつの際に龍が神様に逆らって雨を降らせ、
北総の人民を救いましたが、代償として神様にバラバラにされてしまいました。
殺されてしまったときに別れた体の部分を祭っている3つのお寺を訪問してきました。

竜角寺
【所在地】千葉県印旛郡栄町竜角寺台239
【地図】googleマップ
【HP】なし
【交通手段】安食駅からバスで「房総の村入口」まで、そこから10分ぐらい歩く。車バイクだと楽。

竜腹寺
【所在地】千葉県印旛郡本埜村竜腹寺626
【地図】googleマップ
【HP】なし
【交通手段】正直見つけるのは難しいので、地図の地点をよく確認してから行きましょう。

竜尾寺
【所在地】千葉県匝瑳市大寺1856
【地図】googleマップ
【HP】なし
【交通手段】県道74号を走っていくとわかります。バスとかでは距離がありすぎて難しいです。

2008/05/17 訪問

千葉県北総部には、昔から伝わる竜伝説がある。

その話を要約してみます。、

今から1300年ほど昔、北総一帯は干ばつで悩まされていました。
住民が祈祷を数回繰返すも、神様は願いを聞いてくれませんでした。
不憫に思った竜神がこの北総一帯に雨を降らせてくれました。
住民は喜びましたが、神様は怒り、竜を3つに切り刻んでしまいました。
3つの体は北総の3つの地に落ちていきました。
地元の住民は雨を降らせてもらった竜神に感謝し、その体を埋葬し、末代まで奉りました。
ちなみにそれぞれのお寺は1晩でできたらしい。ホントかよ。


さて、その奉っている3箇所が今回の訪問先となります。
それぞれの場所の名前は、
竜角寺
竜腹寺
竜尾寺
という名前がついています。


まずはワタシの自宅から最も近い竜腹寺に向かいます。
実はしょっぱなから、3つのお寺で一番発見するのが難しい場所にありました。
だいたいの場所は北総線の終点、印旛日本医大から北にいったところなのだが、
地名が「竜腹寺」のためか、お寺の案内板は全くありませんでした。
30分ほど近辺をうろうろしてようやく発見。

というか、寺に入ってもここが「竜腹寺」です、という説明がほとんど無く、
それを発見するまで違うお寺かもしれないと疑ってしまいました。不親切なところです。


竜腹寺の入り口。
この門の左右には仁王像がありますが、
伝承にあるように1晩で作ったために、仁王様の乳首が彫られていないそうです。
仁王様の写真を撮ろうとしましたが、ガラス張りで反射して写らず。無念。


声に出して読みたい日本語。


これが本堂のようです。
普通に道なりに入ったらここに出てしまったので、バイクが写っています。


鐘です。説明は↓


「梵鐘一口」というものらしい。読めんぞ。
なんのこっちゃわからん説明ですが、南北朝時代のものということです。


鐘のすぐ横の鳥居とその先の神社。


さらにその横は墓地。
墓地の建立碑には面白い説明が。
昔土葬だったが、墓が増えすぎて墓つくるところがなくなっちゃっちゃいました。
時代は火葬がトレンドだし、いったん共同墓地ということで土葬の人はまとめて埋葬しなおして、
もういっかい墓は区切りなおします。
お墓を無理やり移動したりまとめちゃってごめんねー、と書いてある碑がありました。


殉国英霊之碑とあります。



これにて竜腹寺は引きあげます。
次の目的地は竜角寺。
ここへの到着は容易かとおもわれます。
北総では有名な「風土記の丘」「房総のむら」という
歴史・社会研修施設がありますので、それを目標に進めばOKです。


房総の村の入り口の交差点から、房総の村と向かいの道へ入り、
住宅街をとろとろ走っていると到着。
ここが竜角寺の入り口になります。


お寺の説明。


ここ竜角寺はたびたび火災にあっているそうで、
門も本堂もありませんが、跡があります。
写真の盛り上がっているのは門の跡で、前に見えるのは本堂の代わりの建物です。


本堂の代わりの建物にこんなことが書いてありました。
ということでご神体の写真はなし。


もともと本堂があったところ。
このお寺なんですが、落ち葉がよい雰囲気をかもし出しており、
癒しポイントはかなり高いです。


石塔。普通ですね。


こっちの石塔は背の高さ順。


高床式宝物倉庫だそうです。
ただし明治時代のもの。


古瓦保存塚だそうです。
掘れば瓦がでてくんのかな?


3重の塔があった跡で、それの基礎の穴だそうです。


穴。

コイツはただの穴じゃない。

雨を降らしてくれた竜神様が宿っていて、
ここにたまっている水は絶対になくならないそうだ。マジですか?


寺の雰囲気にそぐわない綺麗すぎるトイレ。

このお寺は1つめの竜腹寺と違い、
観光で訪れた人に満足感をあたえられるように綺麗に整備されています。
というか、竜腹寺が観光客に無頓着のような気がします。




次はラスト。竜尾寺です。
場所はいきなり離れて匝瑳市。
奇しくも例のボーリング観音様のあるところに近いです。
道中での案内はほとんどありませんが、地図で場所が確認しやすいので、
ちゃんと地図を持っていけば問題なく行けると思います。


竜尾寺入口。石碑が立派です。


おお、「ゴッドサイダー」でよく見た字だ!


竜尾寺の門。風格があります。


このお寺には弘法大師が訪れております。
ちなみに弘法大師は「空海」のことです。
今から1100年ぐらい前の人物です。


弘法大師が掘った井戸だそうです。


梵字の入った石塔。


こちらの寺の本堂。竜腹寺、竜角寺より格段に立派です。


竜尾寺板碑の説明。


これが竜尾寺板碑。おお、なんか雰囲気あるな。
字は読めないけどパワーが宿ってそう。


こちらは戦没英霊供養塔。
竜腹寺にもありましたが、竜角寺には無かったような・・。





ということで3つの竜のつくお寺巡りは無事完了いたしました。
実際に巡って判明したのは、

○似ているのは名前だけ
○竜を祭っているとおおまっぴらに言っていない
○3つのお寺の具体的な連携は無いようにみえる(参拝者視点から見て)

というのがワタシの見解です。
なんか盛り上がらないオチですな・・・。


以上、北総ドラゴンの旅をお送りいたしました。

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