2008/06/21 訪問
今年はオリンピックイヤー。中国でオリンピックが開かれます。
成田空港のふもと芝山町を先日通ったときに、
電柱についている「中国美術館」の看板が気になったので、今日訪問してみました。
この美術館は2年前に民家を改修して作られたそうで、比較的新しいところです。
296号を成田方面にずーっと走っていると、こういう看板がでてきます。
看板にしたがって進んでいくと、ありました。
ここが中和堂中国美術館です。
到着。日本屋敷を改装して作られた美術館です。
写真に写っているのはここの館長の竹村氏。
泉谷しげるをやさしい顔にした感じの人でした。
入館料はちょっと特殊で、竹村館長の説明+喫茶付で1000円、
説明不要で見るだけなら500円。
はっきり言って、1000円の説明付のほうが良いです。
説明がなければ、ここにある展示物は何がすごいかわからないと思いますし、
なによりも説明が明確でわかりやすいので、よいものを見たという気分になれます。
あと、今回はいきなり訪問しましたが、予約を入れていないと、
美術館自体が開いていないかもしれないそうですので、
もし訪問してみたいとおもったら予約しましょう。
こちらが企画展示用の建物だそうです。セキリュティが厳重です。
館長が鍵を開けて中に入れてくれます。
今回の企画は「汝官窯青磁」と「徽宗皇帝の書画」でした。
左側に並んだ青磁。
この頃の中国は、国が認めたところ(官窯)が陶器を作っていて、
民間ではほとんど作られなかったので、技術的にも優れたものしか存在しないそうです。
右側。
まったく傷がないきれいなものばかりです。
館長が語り部のように熱く語ってくれます。
時代考証から、ものの見方やらいろいろ話してくれます。
前に行ったことのある浮世絵博物館の館長を1とすると、
ここの館長は100だと思います。それぐらい語りが良いです。
(私の中で今までで最高だった館長は「性神の館」の館長。この人には誰もかなわないです)
奥は徽宗皇帝の書画。
芸術家として優れていた中国の皇帝ですが、
芸術に金をかけすぎて国を滅ぼしたといわれているそうです。
そんな皇帝が開発した字体が、「痩金体」として現在もつかわれております。
その書体で書かれた皇帝直筆の書物がここに展示されているわけですが、
それがホンモノかニセモノかを検証するための展示企画だそうです。
真偽のほどは実際に見ていただいたほうがよいかと思います。
常設展示がある正面の建物に入ります。
中はこんな感じで、手前のイスに腰掛けて、
コーヒーを飲んでくつろぎながら見ることができます。
というか、ここで1時間ぐらい館長とお話していました。
こちらも。かなり大量に展示されています。
BC200年から1800年代のものまで幅広く、たくさんあります。
あとは長野にも同じような美術館があるそうで、
その美術館と定期的に展示物を入れ替えているそうです。
ここは何がすごいのかというのを説明しておきます。
中国は大きいので省単位で政治をおこなっており、こういった文化財も省単位で管理しています。
歴史でみると中国の首都はあっちこっちに変わっている(北京、洛陽、長安等)ので、
こういった文化財が1箇所にあつまらず、歴史の流れを追って文化物を見ることができないそうです。
たとえば清朝のものは北京の博物館でしか見れない、北宋時代のものは開封の博物館でしか見れない、といった感じです。
それがここに行けば全部見れる。世界で見てもそれができるのはここしか無いそうです。なるほど。
こういった話を館長が語ってくれます。いろいろ勉強になりました。大満足。
滞在時間は2時間ぐらい。1000円は安いです。
近くにある「はにわ博物館」の100倍は満足できる博物館だとは思うのですが。
(個人的に「はにわ」を見てもなにも感じないので面白くないだけですが)
企画展示物が変わったらまた行ってみたいと思わせる、良い美術館でした。
以上、中和堂中国美術館をお送りいたしました。
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