File 007 飯香岡八幡宮

JR八幡宿駅の近くにある、関東における八幡信仰の総本山。
神聖な空間であるのと同時に、
地元の名士の「生きた証」が広い境内にちりばめられている。

【所在地】千葉県市原市八幡1057
【地図】googleマップ
【HP】HPなし
【交通手段】JR八幡宿駅から西に歩けばすぐ見えます。

2008/06/07 訪問

ドライブやツーリングで千葉市街地から千葉の南に向かうときに、
存在すら知られず、そのまま通過してしまいそうな場所にJR八幡宿駅があります。
この駅から数分歩くと、関東の八幡信仰の総本山、飯香岡八幡宮があるとのことなので訪問してみました。

そのまえに基礎知識。「八幡」って、何なのだろうか。

「八幡」というのは、日本で生まれた独自の神様「八幡神」のことです。
(はちまんしん または やはたのかみ と読む)
奈良時代の頃から戦うお仕事(基本は武士)の人がよく祀っていた神様なので、
庶民よりお金を持っている人が神社をつくったということになります。
そのため、現存している八幡神社はどれも立派なものとなっております。
逆に庶民の神様であった稲荷神社は簡素な作りが多い印象です。
八幡とつく地名は、そういった神社があるためにそういう地名になった、
と理解してよさそうです。

それではレポします。


八幡宿駅西口。
競艇の場外船券売り場「ボートピア市原」の最寄駅として有名になってきた感じですが、
この駅から西に徒歩数分で飯香岡八幡宮に行くことができます。
その前に、腹ごしらえします。


駅から歩いて1分もかからないところに「房総らーめん」という店があります。
65歳ぐらいの夫婦がやっているお店です。
ワタシは今回で2回目の訪問です。

※このお店はすでに閉店しています。


これがこの店で1番人気のチャーシュー麺とぎょうざです。
この材木みたいなチャーシューを見てください。
ギョウザの皿に醤油とラー油は、お店のおばちゃんが目の前で入れてくれました。
そのおばちゃんは注文後にスポーツ新聞やら雑誌やらもってきてくれます。恐縮です。
一見竹岡系ラーメンと似ていますが、竹岡系よりしょっぱくなく、食べやすいです。
逆にこのスープをしょっぱくすると竹岡系の味と言ってもよいかと思います。

このラーメンはラーメン自体より、チャーシューのうまさを楽しむものだとおもっております。
なにせチャーシューが麺と同じぐらいの分量で入っています。
このチャーシューがなんともいえないぐらいウマイ。
ボリューム感あるのに、値段は750円と安い。たぶん採算はよくなさそう。

店の主人夫婦は混んでいなければ、気さくにお話してくれると思います。
このラーメンの味のルーツを聞いてみたら、竹岡系とは全く関係なく、
自分の好きな味を追及したらこういう味になったそうです。
店に来てくれる人が竹岡系に似ているとよく言ってくるけど、
自分でもそうなのかな、と思っている程度という感じでした。

(2009/10/08補足:この店はすでに閉店しました。)


食べ終わったら飯香岡八幡宮に向かいます。


ここが正門になります。駅からは徒歩3分といったところ。
入り口はあっちこっちにありますが、純粋に楽しむのであれば、
正門を探して入りましょう。


重要文化財 飯香岡八幡宮本殿 とあります。


これが本殿です。
この本殿の歴史は長く、750年頃に造営され、
源氏から、藤原氏、足利氏、徳川家とその当時の日本の有力者に祭られているという
他の有名神社に劣らぬすごい歴史を持っています。

参拝のしかたは、
1礼して2回手をたていて2礼だそうです。
本殿の参拝が終わったら、ひとまずは北西エリアに行きます。



北西のエリアには「放生池」があります。
簡単に言うと大きい虫カゴみたいなもので、捕まえてきた生類をここに放ったそうです。
景色はよいが、蚊がとびすぎ。
更にはスズメバチ?に気がついたので逃げる。危ないよここは。


池から東のほうに移動。
これは神龍泉だそうです。レイアウトが良いです。
このエリアは石碑、胸像が多い印象を受けます。
とりあえず1つずつみていきます。



川上規矩(南洞)先生だそうです。
経歴を簡単に説明すると、
このへんに学校を作ることを中心にいろいろ地元の人に貢献した人らしいです。



こちらは菅野儀作先生です。
経歴を簡単に説明すると、
このへん出身の衆議院参議院の議員さんで、
利権をたくさんひっぱってきて市原の工業地帯を作った人だそうです。
市原に工場がたくさんある(京葉工業地帯)のはこの人のおかげです。


あなたの息子はある意味歴史に残りました。


やたら胸像が多い。
こちらは楠原三之助。
経歴を簡単に説明すると、
この神社にものすごい寄付したと書いてあるだけ。


こちらは大岩幸男先生。
経歴を簡単に説明すると、
小学校の先生をやっていて、潮干狩りで児童を引率していたら
1人おぼれてしまい、それを助けようとしたら自分が死んでしまった、先生の鑑だとのことです。
おぼれた児童が生きていたのかは書いていないです。
こちらもさりげなく福田赳夫の文字入り。あなたの息子がおぼれてしまっていれば(以下略


南のほうのエリアです。
まだまだたくさんあります。
というか、ここって神社というより、
「自分の生きていた証」展示場という感じです。


県指定天然記念物「夫婦銀杏」だそうです。


ちょっと広くなっています。

忠霊塔とあります。
八幡って歴史的に戦死者を祀るのが基本なのでしょうか。


立野信之先生の碑。直木賞作家です。
市原市役所→軍隊→作家の経歴の持ち主です。この八幡にふさわしい人です。


フォントがかっこいい。


ちっこい神社がたくさん。
それぞれに商売繁盛や学問等の神様を祭っているようです。


八幡の南エリアの終端。浅間神社となっています。


浅間神社内は山になっていて、一番上に小さい鳥居がある。
インパクトはすごいです。


以上で飯香岡八幡宮の訪問はおわり。
胸像がたくさんあるエリアにはちょっとした休憩をするための広場があり、
そこで一息するために訪れる人が多いみたいです。寺社好きの人は訪れて損はなし。
そうでなければなんてことない、ジモティーのための八幡宮。そんな感じのスポットでした。

以上、飯香岡八幡宮をお送りいたしました。

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